2022.05.13
障害年金について
障害年金の永久認定とその注意点
以前掲載した「障害年金の更新で不支給になったら!?」での説明の中で障害年金には定期的な更新手続きが必要になる「有期認定」、一度認定されれば更新手続きが不要な「永久認定」があると解説しました。今回は「永久認定」について解説します。
永久認定と有期認定
有期認定の障害年金の年金証書には次回の診断書提出年月日が記載されています。通常は数年後の誕生月(20歳前障害は7月)です。永久認定の場合はこの欄の記載がありません。
どのような疾病が永久認定になり、また有期認定になるのでしょうか。
例えば傷病状態が変化する可能性のある疾病、内臓疾患や精神疾患などは有期認定とされます。
一方、永久認定の場合は、手足の切断など傷病状態に改善されることのなく一定の固定性があるものが対象となります。このような傷病が永久認定とされると、障害の等級は一度決定されると変更することはありません。
永久認定と額改定請求の注意点について
永久認定になると、定期的に診断書を提出する必要はありません。
しかし、仮に傷病が重くなってきた場合は改定請求を行う必要があります。傷病の状態が悪化しても自ら改定請求を行わない場合、障害年金の等級は変更されません。永久認定されると定期的な診断書の提出は不要ですが、自ら申請しない限りは日本年金機構側が傷病の程度を把握できない、ということでもあるので、その点に考慮が必要です。
障害等級を上げる手続き(額改定請求)
障害年金を受け取っている人で、傷病の障害の程度が悪化した場合に日本年金機構へ提出するのが「障害給付 額改定請求書」です。なお、額改定請求書の申請は、慎重に行う必要があり、またいくつか制限もあります。
①額改定請求を行う際の待機期間について
障害年金を受給している人が額改定請求を行う場合、受給の権利を取得したとき、あるいは年金機構の審査を受けた日から1年を経過していないと請求を行うことはできません。例えば精神疾患の症状が悪化した場合、1年間の待機期間が必要です。ただし、例外として次の傷病の症状については1年の待機期間なしでも額改定請求を行うことができます。
【眼・聴覚・言語機能の障害】
1 | 両眼の視力の和が0.04以下のもの |
2 | 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの |
3 | 8等分した視標のそれぞれの方向につき測定した両眼の視野がそれぞれ5度以内のもの |
4 | 両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの、かつ8等分した視標のそれぞれの方向につき測定した視野の合計がそれぞれ56度以内のもの |
5 | 両耳の聴力レベルが100デシベル以内のもの |
6 | 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの |
7 | 咽頭を全て摘出したもの |
【肢体の障害】
8 | 両上肢の全ての指を欠くもの |
9 | 両下肢の足関節以上を欠くもの |
10 | 両上肢の親指および人差し指または中指を欠くもの |
11 | 一上肢の全ての指を欠くもの |
12 | 両下肢の全ての指を欠くもの |
13 | 一上肢の足関節以上で欠くもの |
14 | 四肢または手指もしくは足指が完全麻痺したもの(脳血管障害または脊髄の器質的な障害によるものについては、当該状態が6ヶ月を超えて継続している場合に限る) |
【内部障害】
15 | 心臓を移植したものまたは人工心臓(補助人工心臓を合む)を装着したもの |
16 | 心臓再同期医療機器(心不全を治療するための医療機器をいう)を装着したもの |
17 | 人工透析を行うもの(3ヶ月を越えて継続して行っている場合に限る) |
【その他の障害】
18 | 6ヶ月を超えて継続して人工肛門を使用し、かつ、人工膀胱(ストーマの処置を行わないものに限る)を使用しているもの |
19 | 人工肛門を使用し、かつ、尿路の変更処置を行ったもの(人工肛門を使用した状態および尿路の変更を行った状態が6カ月を超えて継続している場合に限る) |
20 | 人工肛門を使用し、かつ、排尿の機能に障害を残す状態(留置カテーテルの使用または自己導尿(カテーテルを用い得て自ら排尿することをいう)を恒に必要とする状態をいう)にあるもの(人工肛門を使用した状態および排尿の機能に障害を残す状態が6カ月を超えて継続している場合に限る) |
21 | 遷延性植物状態(意識障害により昏睡した状態にあることをいい、当該状態が3カ月を超えて継続している場合に限る)となったもの |
22 | 人工呼吸器を装着したもの(1ヶ月を超えて常時装着している場合に限る) |
▼厚生労働省 障害年金の額改定請求に係る待機期間の一部緩和に係る周知について〔国民年金法〕 |
②等級と年齢の制限
障害厚生年金3級を受給中の場合、過去に2級に該当したことがまったく無い人は、65歳を超えた際に額改定請求を行うことはできません。反対に現時点で2級、または過去に一度でも2級になったことがある現3級の人は、65歳を超えた場合でも額改定請求を行うことが可能です。
③額改定請求により永久認定から有期認定になる場合もある!?
例えば2級の永久認定の状態になっている場合に、傷病の悪化に伴い1級への改訂を希望し、日本年金機構へ額改定請求を行うことがあると思います。
ただし、この場合に注意しなければならないのは、額改定請求によって日本年金機構へ診断書を送付し再度審査を受けることになりますので、審査結果によっては永久認定から有期認定になる可能性も考慮しなければなりません。有期認定になり定期的に診断書を提出する状況になった場合、診断書の内容次第では障害年金の給付が停止される状況も考えられます。
このような場合は、額改定請求を出す前に、まず障害等級と傷病の状況について専門家に相談し、方針を決めるというのも1つの手です。
まとめ
障害年金の永久認定について、どのような傷病で指定されるのか、さらに注意点はなにかについてをまとめました。障害年金については、個人での対応ではわかりにくい部分もあると思いますので、困った場合は【障害年金の窓口】など、専門家の相談できるサービスの利用も検討してみることをおすすめします。
▼障害年金の窓口 |
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