2019.10.11

障害年金について

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障害年金の更新で不支給になったら!?

障害年金は認定されても、一部の永久認定の人を除き、定期的に更新手続きが必要な有期認定となります。この更新手続きを適切に行わないと更新時に障害年金の支給が停止される、あるいは等級がより軽いものとされてしまうことがあります。

障害年金の更新手続きと障害状態確認届

有期認定とは、障害年金について一定の期間内を支給期間とするものです。この一定の期間とはおおよそ1~5年の範囲とされ、更新のたびに都度、障害状態確認届(診断書)の提出を求められます。

なお、この診断書を提出する期間ですが、病気ごとに期間が決められているわけではありません。それぞれの障害の状態に応じて日本年金機構が決定しています。例えば精神疾患などは、1年更新とされ、毎年の更新手続きが必要となることが多々あります。

障害状態確認届(更新用の診断書)の作成

年金証書に記載されている診断書提出の指定日が近づくと、受給者に対して日本年金機構から障害状態確認届(更新用の診断書)が届きます。誕生月の末(20歳前障害は7月末)までに、受診をした診断書を提出します。お盆前後の夏季休暇や年末年始休暇などで病院や主治医が休みになる場合もありますので、事前に提出期限まで余裕をもったスケジュールで病院の診察予約を行っておくことをおすすめします。

なお、以前は更新1ヶ月前のタイミングで障害状態確認届が送付されていましたが、1ヶ月という短期間で通院し診断書作成では期間が短いとの声を受けて、令和元年(2019年)8月以降は、障害状態確認届は診断書提出の指定日の3ヶ月前に届くように変更されました。

万が一、障害状態確認届の提出が遅れると、年金支給が一時差し止めになる場合があります。ただし、これは一時的なもので、提出した障害状態確認届が受理され、審査により継続支給が認定された場合は、支給が再開されます。

支給等級に変更が無い場合、次回の診断書提出について、告知するハガキが届きます。もし、支給の停止や支給等級に変更がある場合は、支給額変更通知書が送られてきます。

不支給や等級変更の対策は?

障害状態確認届、つまり診断書を作成してもらう際、注意しなければならないのが記載内容です。きちんと現在の傷病(障害)の状態を正しく反映された診断内容が記載されているか、慎重に確認しなければなりません。

ここで診断書の記載内容について、軽い気持ちで「だいたいこれでいいか」「まあ大丈夫だろう」と安易に考えると、更新手続きの結果、障害年金の等級が下がる、あるいは支給停止(差し止め)になる場合があります。

① 障害年金が支給停止、あるいは申請した障害等級に対し該当なしとなった場合

障害年金が支給停止、あるいは障害2級・3級で申請したが該当なしとなった場合は、「不支給決定通知書」で結果が通知されます。

不支給決定通知書には、「国民年金法施行令別表(障害等級1級、2級の障害の程度を定めた表)に定める程度に該当していないため」と記載されているだけで、具体的な不支給あるいは等級に該当しない理由の記載はありません。

これらのような場合、対策としては、「不支給決定通知書」を受け取った日の翌日から3か月以内に「行政不服審査法」に基づく「審査請求」を行います。

▽日本年金機構 年金の決定に不服があるとき(審査請求)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/kyotsu/fufuku/20140709.html

▽社会保険審査官所在地一覧表
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/syakai/02-01.html

ただし、審査請求は、以前に提出したものと同じ書類を再度審査してもらう」ものであり、仮に診断書の内容が実際の傷病(障害)の程度を正しく反映していない、あるいは軽く書かれている場合は、同じ結果が出ることになります。

この場合は、新たに請求しなおす「再請求」という方法で対応するとよいでしょう。
この再請求は審査請求と同時に行うことが可能です。また、再請求については期間や期限はありませんので、審査結果に不服がある場合はできるだけ速やかに再請求を行うことをおすすめします。

② 支給停止事由消滅届(診断書)の提出

次の対応としては「支給停止事由消滅届」(診断書)の提出が考えられます。

支給停止事由消滅届とは、簡単に説明すると、「現在の傷病(障害)の程度が、障害状態確認届の時点より悪化し、障害年金受給に相当する程度になったため、支給再開を申請する」ためのものです。
これについても申請の期間や期限はありませんので、審査結果に不服がある場合はできるだけ速やかに支給停止事由消滅届の提出を行うことをおすすめします。

なお、傷病(障害)の状態が悪化した状況でも、障害状態確認届提出時と全く同じ診断書を支給停止事由消滅届として提出した場合は、ほぼ支給は再開されません。提出する診断書の記載内容については、細心の注意を払う必要があります。

▽老齢・障害給付 受給権者支給停止事由消滅届(PDF)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todoke/shougai/20140421-01.files/0000002355.pdf

 

③「不支給」などの理由を確認するには

再審査を請求する際に、不支給の理由を知りたい場合はどうしたら良いのでしょうか。確認する方法として次の2つがあります。ただし、これらの手段を用いても不支給理由が分からない場合もあります。

年金事務所の相談窓口で確認

最寄りの年金事務所に出向き、不支給になった理由について具体的な内容を照会します。もし、審査書類に不支給理由が記載されていた場合は、そこで確認できます。

▽日本年金機構 全国の相談・手続き窓口
https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/

個人情報の開示請求を行う

厚生労働省年金局に対して「障害年金の審査に係る書類一切」の開示請求を行うことで、不支給理由を確認する方法もあります。

▽開示請求先 
厚生労働省年金局事業企画課情報公開係
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2
電話番号 03-5253-1111(代表)

▽厚生労働省 請求書等様式 保有個人情報開示請求書
https://www.mhlw.go.jp/jouhou/hogo06/index.html

 

障害年金の更新に際して、診断書の作成は慎重に行う必要があることについてご理解いただけたでしょうか。また、不支給などになった場合の対応策について、いくつか方法があることについて解説しました。個人でも対応できる場合もありますが、傷病の状況によっては自力で行うことが困難な場合もあると思います。また、審査請求や再審査請求は「容認」される率はかなり低めというデータがあります。

まとめ

▽厚生労働省 社会保険審査会 年度別(再)審査請求受付・裁決件数等の推移https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/syakai/03-01-01.html

このような状況も踏まえ、まずは【障害年金の窓口】など、専門家の相談できるサービスの利用も検討してみることもおすすめします。煩雑な手続きなどを遺漏無く進められる、といったメリットがあります。

▼障害年金の窓口
https://shougai-nenkin.com/

 

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