2024.06.14

退職について

会社都合退職を履歴書に書くべき?その書き方と印象をカバーする方法

応募先企業に「退職理由」を聞かれたらどう答えますか?

一般的に「会社都合退職」はリストラ等でネガティブなイメージがあるため、就転職に際していささか不利な部分があることは否めません。

また、会社都合に含まれる退職として、懲戒免職もありますので、場合によっては「前職で何かやらかしたのではないか」という疑いを多少なりとも持たれる可能性も否定できません。

つまり書類段階で通過できない場合は、そのような疑念や先入観に対して志望動機で可能な限り相手が納得できる内容を書いておくことがポイントになります。

ただし、書類選考は、志望者が多い企業では一人あたり書類を見る時間はわずか1~2分、という話もあります。わずか数行での履歴書や職務経歴書でのアピールでは、何か事情があっても詳しく説明するだけの文字数はとれないと思います。結果として採用担当者の持つ基準とそのタイミングで上手くマッチングができなければ、今回は残念ながら……ということになってしまいます。

そういうことからも採用担当者の目にとまる短くとも効果的な文章をいかに書くかが、書類選考通過の命運を分ける重要な要素の1つだと言えるのではないでしょうか。

実際の退職理由は「(前職の)上司と折り合いが悪かった」「(同じく)給与に不満があった」というのが大きなものだとしても、それだけで転職後の企業での働くための原動力として長く続くものにはなかなかなり得ないと思います。

ぜひ、ポジティブな転職理由として自分には何があるかを書き出してみて、そこから文章にまとめるといいと思います。

ポジティブをアピールできるポイントは4つ

具体的には次に書いた内容をいかにポジティブにまとめ、かつ会社事由退職であればなぜそうなったのかについて説明できる内容になっていることが重要です。

①自分の経験を活かして、どう貢献できるか
②なぜその企業でなければだめなのか
③事業内容や、商品・サービスへの共感
④入社後、どんな仕事をしていきたいか

たとえば自分の経験やスキルが活かせる異業種転職を想定してみましょう。
法人営業やアジャイル手法を採り入れたプロジェクトマネジメントなど、いろいろあると思います。

そのような際の就転職の面接で、いかに自分の既存のスキルを入社後も主体的にフィットさせ、より一層のスキルアップができるかをアピールすることがポイントになります。

【例】

今までA社では5年間に渡り、□□分野を担当してきました。そのなかで今後は□□分野から視野を広げ△△分野について身につけたいと思い、2年前から勉強会や各種イベントに参加し、昨年から実務でも手掛け始めていたタイミングで、御社では社として△△分野を重点的に推進していくとの計画を発表されたことを知りました。

実はその頃、A社では早期退職の募集がありました。勉強会で知り合った御社社員から一般社員でも自由に大型企画などを提案できる等の社風などを伺い、そのような開放的な社風の御社で働きたく考えた次第です。

△△分野はまだ経験も浅いのですが、御社でなら、日々スキルを磨いていけると考えました。今まで学んできたことを元に、ワンランク上の仕事に挑戦していきたいと考え御社を志望いたしました。

 

この例文は前述のアピールポイント4つを入れた上で、会社事由退職が早期退職募集によるものだ、ということも記載しています。やや長文なので、紙版履歴書の志望動機に記載するのは難しいと思いますが、ネットでの志望動機で500文字から1000文字というフォームであれば十分入力できる分量です。

履歴書に書かないとあとでトラブルになる会社都合退職がある?

会社都合退職の場合、記載しないとあとでバレた場合に問題が発生する可能性があるものが存在します。ちなみに会社都合退職というのは大別して以下のような種類があります。

【会社都合退職の分類】

  種別 内容 備考(具体例や条件など)
普通解雇 客観的に見て労働契約を続けることが困難な場合に限っての解雇

・労働者の勤務成績が思わしくなく、指導等の措置を講じても改善が見られない場合
・協調性に欠けるがために業務自体に支障を生じてしまった場合

・健康上の理由で職場復帰が難しい場合
など

懲戒解雇
(重責解雇)
在籍企業に意図的に不利益を与えた場合、悪質な規律違反や非行を行った場合における懲戒処分による解雇

・横領や架空取引など、自分の職掌を利用して犯罪行為を行った

・業務上で必要な資格や学歴の詐称

・過度なパワハラやセクハラ

・理由のない長期間無断欠勤

・就業規則の懲戒解雇規定に触れる行為

整理解雇
(リストラ)

・希望退職、早期優遇退職、早期退職による解雇
【整理解雇を実施する前提条件】

・整理解雇には行う事に対する客観的な理由付けが必要

・解雇を回避するために最大限の努力を行っている

・解雇の対象となる人選の基準、運用が合理的に行われている

・労使間で十分に協議を行ったこと

・希望退職制度

期間を限定して退職金加算などを示して行われる制度で、「希望」とあるように従業員の意思が最優先となる。法的な拘束力があるものではないため、会社側から強制することはできない。ただ、希望退職に伴う退職の場合は、原則として、自己都合ではなく会社都合での退職が成立する。目標人員数を未達の場合、整理解雇を実施する場合がある
・早期退職優遇制度
常設の制度が原則で、退職金加算や再就職支援などを実施する。なお、会社側が退職を認めない場合がある。
・早期退職制度
早期退職優遇制度との違いが、こちらは「人員整理を目的とする制度」であること。ただし退職金加算や再就職支援などを実施する場合もある。

倒産 企業の倒産による失職  
雇い止め 有期雇用契約における契約更新を行わないことによる失職  

 

この中で履歴書やエントリーシートへの記載が必要なのは、「②懲戒解雇」です。

例えば賞罰欄を記載するタイプのエントリーシートには、その旨を記載する必要があります。

なお、履歴書にある賞罰等の記載欄は本来の賞罰、すなわち「賞」は受賞歴や表彰歴、「罰」とは刑法犯罪(確定した有罪判決)のことを指すため、刑法犯罪に該当しない懲戒解雇は記載義務があるわけではありません。

ただ、だからといって記載しないでおいて、仮に転職先企業から「退職証明書」の提出を求められた場合、前職企業は「懲戒解雇」の事実を退職証明書に記載する必要があるため、転職先企業に懲戒解雇を知られてしまうことになります。これを踏まえると「懲戒解雇の事実を言わないと経歴詐称になる場合がある」ということになります。

「自己都合」として退職しても「会社都合」として認定される可能性のある場合

会社都合は採用担当者に対し、場合によって不利な心証を与えるかも知れませんが、失業給付の受給面から見ると、会社都合の方がいろいろと有利な条件があることも事実です。

次のような状況が客観的に証明できる場合、ハローワークで「自己都合」から「会社都合」に変更できる可能性があります。もし、これらの理由であれば、仮に就転職の際の面接で「どうして退職したのか」を問われた際に十分、相手を納得させる説明ができると思います。

退職勧奨

使用者から労働者への働きかけが原因なので会社都合と言えます。事業縮小などによる希望退職の募集などがこの例に入ります。

いじめ・嫌がらせ、セクシャルハラスメント

これらの理由が原因で労働者が自らの意思で労働契約の解除を申し出たとしてもそれは会社が安全配慮義務を怠ったことによる不法行為であり、会社都合といえるのです。

超過勤務等による心身の疲労

業務で生じたことが原因もしくは退職前にそのようなことがあった場合は、その因果関係が立証できない場合でも事実があれば、自らの意思で退職しても会社都合といえます。

まとめ

自己都合退職と会社都合退職では後者が若干不利ですが、雇用流動化かつ終身雇用制度がなくなりつつある現在では、会社都合退職での退職者も増加しています。いずれの退職の場合でも、就職する際にはいかにポジティブな志望動機、かつ採用担当者などを納得させるだけの内容でまとめるかが肝心です。

退職・転職・再就職で悩みがあるときは「退職コンシェルジュ」といったサービスを利用してみるのもよいでしょう。

▼退職コンシェルジュ
https://www.taishoku-concierge.jp/

 

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