2025.04.03
給付金について
派遣は失業保険をすぐもらえる?受給の日数や金額、流れを紹介
派遣社員が失業保険をすぐもらえるかどうかは退職理由によって異なります。ただ、派遣社員の契約期間は定められているので、「会社都合」と「自己都合」のどちらに該当するのかわからない方もいるでしょう。
本記事では、派遣社員が失業保険を受給できる条件やすぐもらえる場合の具体例、その際の受給日数や受給金額、受給のための手続きの流れを解説します。派遣の失業保険に関する疑問にもお応えしますので、失業保険の受給をご検討中の派遣社員の方はぜひ参考にしてください。
社会保険給付金サポートのお問い合わせはこちら▼
派遣社員が失業保険を受給できる条件
派遣社員が失業保険を受給するには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
- 雇用保険に加入し、保険料を支払っていること
- 離職前2年間に12カ月以上の雇用保険の被保険者期間があること
- 就労の意志と能力があり、求職活動を行っていること
それぞれの要件について詳しく解説します。
雇用保険に加入し、保険料を支払っていること
雇用保険は、労働者が失業した際に生活の安定を図るための公的保険制度です。そのため、失業保険を受給するためには、雇用保険に加入していることが前提になります。
なお、雇用保険の適用を受けるためには、週の所定労働時間が20時間以上であり、かつ31日以上の雇用見込みがあることが必要で、派遣社員も適用対象に含まれます。
離職前2年間に12カ月以上の雇用保険の被保険者期間があること
失業保険を受給するには、離職前の2年間に通算して12カ月以上の被保険者期間が必要です。
ここでの「被保険者期間」とは、各月において賃金支払基礎日数が11日以上、または労働時間が80時間以上ある月を1ヵ月として計算します。
ただし、特定受給資格者(会社都合退職など)や特定理由離職者(契約期間満了など)の場合は、離職前の1年間に通算して6ヵ月以上の被保険者期間があれば受給資格を得られます。
就労の意志と能力があり、求職活動を行っていること
失業保険は再就職を目指す人を支援する制度であるため、受給者には就労の意志と能力が求められます。
就労の意思が認められるにはハローワークに求職の申し込みを行い、積極的に求職活動を行っていることが条件です。また、求職活動とは、求人への応募や面接、職業相談、各種セミナーへの参加などが該当します。
派遣社員が失業保険をすぐもらうには【自己都合の場合】
自己都合退職をした場合は、失業保険の申請から7日間の待期期間を経た後、一定の給付制限期間が設けられます。ただし、自己都合の場合であっても、「特定理由離職者」に該当すれば給付制限期間が免除され、失業保険をすぐに受給できます。
特定理由離職者に該当するケースは、以下のとおりです。
体力面の問題
業務に必要な体力を維持できず、業務の遂行が困難となり離職した場合に適用されます。また、心身の障害や疾患で業務が続けられず、職場環境の調整やサポートが不十分だったケースも対象です。
体力面の問題を理由に特定理由離職者として申請するには、ハローワークへの離職票の提出時に、体力不足や心身の障害を証明するための医師の診断書が必要となります。
妊娠や出産、育児
妊娠・出産・育児を理由に離職した場合も、特定理由離職者に該当します。
これらの理由によって労働が困難になった場合や、離職後30日以上職業に就けない際に、失業手当の受給期間延長措置を受けたケースが対象です。
また、ハローワークへの離職票提出時に、受給期間延長通知書の提出も必要となります。
介護
両親の死亡や疾病、負傷などによる介護を理由とする離職も、特定理由離職者に該当します。
ただし、企業に離職の意思を伝えた時点で、看護が30日以上必要と見込まれていた旨を証明しなければなりません。
ハローワークへの離職票提出時には、健康保険証、医師の診断書、扶養控除等申告書の提出があわせて必要です。
別居生活が困難
配偶者や親族との別居生活が経済的事情などから困難な場合や、転勤などにより家族との同居が難しい場合も、特定理由離職者に該当します。
また、この状況を証明するために、離職票提出時に、転勤辞令、健康保険証、住民票の写し、扶養控除等申告書の提出が必要です。
通勤不可能または困難
通勤が身体的・精神的な状況や職場へのアクセス制限で困難になった場合も特定理由離職者に該当します。
また、住所変更や事業所の遠方移転、保育所の不確保などで通勤ができない場合も同様に適用されます。
提出書類は理由によって異なるため、詳細は厚生労働省が発表している「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」をご参照ください。
人員整理等で希望退職者の募集に応じた
希望退職者の募集に応募して退職した場合も特定理由離職者に該当します。ただし、企業整備のための人員整理等を目的とする希望退職者の募集に応じたことが条件になります。
必要書類は状況によって異なるため、ハローワークの窓口でご確認ください。
失業保険をすぐもらうには【会社都合の場合】
会社都合で退職した場合、申し込み後7日間の待期期間を経過すれば、失業保険をすぐにもらえます。会社都合に該当する具体的なケースは以下のとおりです。
事業所の倒産
事業所の倒産などによる退職は、会社都合退職に該当します。
倒産の理由には、「倒産手続き開始・手形取引停止による離職」と「事業所の廃止または再開見込みのない事業活動停止による離職」があります。
どちらの場合でも、労働者は会社都合退職として失業保険の手続きを進めることが可能です。
解雇
離職理由が、以下に提示する条件に1つでも当てはまる場合は、「解雇」として特定受給資格者に該当します。
- 勤務先からの解雇
- 労働条件の相違
- 賃金の未払い
- 賃金の低下
- 長時間の時間外労働
- 妊娠や出産、介護中の強制労働
- 職種転換時の無配慮
- 労働契約の未更新:勤続3年以上
- 労働契約の未更新:勤続3年未満
- 上司や同僚などから嫌がらせ
- 事業主からの退職勧奨
- 使用者の都合による休業の継続
- 業務の法令違反
上記条件に当てはまる場合、申請後、7日間の待期期間を経た後、すぐに失業保険を受給できます。
派遣社員がもらえる失業保険の受給日数
派遣社員が失業保険を受給できる期間は、原則として離職日の翌日から1年間(所定給付日数が330日の場合は1年と30日、360日の場合は1年と60日)です。この期間中、失業状態にある日に限って、給付日数の分だけ失業保険がもらえます。
なお、病気、けが、妊娠、出産、育児等で30日以上にわたり働けない場合は、その期間の分だけ受給期間を延長可能です。ただし、延長できる期間は最長で3年間となります。
派遣社員がもらえる失業保険の受給金額
失業手当の受給総額は「基本手当日額 × 給付日数」で決まります。一般的な受給額は離職前の賃金の5〜8割程度です。
賃金日額を計算する
失業保険の受給総金額を求めるには、まずは賃金日額を計算します。
賃金日額とは、離職前の直近6ヵ月間に支払われた賃金の総額を180で割った金額です。
賃金に含まれるのは、基本給のほか、残業代や各種手当(通勤手当、住宅手当など)であり、賞与や退職金、祝い金などの臨時的な賃金は含まれない点に注意しましょう。
基本手当日額を計算する
続いて、基本手当日額を計算します。基本手当日額とは、賃金日額に給付率(50%〜80%)を掛け合わせた金額です。
給付率は、賃金日額が低いほど高く設定され、具体的な給付率は厚生労働省の基準に基づいて決定されます。詳しい金額はハローワーク窓口で確認可能です。
基本手当総額を計算する
最後に、基本手当日額に所定給付日数を掛け合わせて、基本手当総額を計算します。
所定給付日数は、離職理由や被保険者期間、離職時の年齢などによって異なります。
例えば、自己都合退職の場合、被保険者期間が1年以上5年未満であれば、所定給付日数は90日です。
具体例として、離職前6ヵ月間の賃金総額が180万円の場合、賃金日額は180万円 ÷ 180日 = 1万円です。この場合の給付率が仮に60%とすると、基本手当日額は1万円 × 60% = 6,000円です。さらに、所定給付日数が120日の場合、総受給額は6,000円 × 120日 = 72万円が基本手当総額になります。
なお、基本手当日額は以下の表のとおり、年齢区分ごとに上限額と下限額が設定されています。
(令和6年8月1日現在)
30歳未満 |
7,065円 |
30歳以上45歳未満 |
7,845円 |
45歳以上60歳未満 |
8,635円 |
60歳以上65歳未満 |
7,420円 |
引用:基本手当について | ハローワークインターネットサービス
派遣社員が失業保険を受給する際の流れや手続き
派遣社員が失業保険を受給する際の手続きは以下の流れで進めます。
必要書類を揃える
まず、失業保険の受給に際して、以下の必要書類を準備します。
- 雇用保険被保険者離職票-1・2
- 雇用保険被保険者証
- 証明写真(たて3cm×よこ2.4cm、正面上半身)×2
- 本人名義の普通預金通帳またはキャッシュカード
- 住所・氏名・年齢が確認できる本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
- 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票のいずれか1つ)
ハローワークで求職を申し込む
続いて、ハローワークの窓口で求職を申し込みます。求職申込時の具体的な流れは以下のとおりです。
- 求職申込書に記入する
- 必要書類の提出、職業相談を行う
- 雇用保険説明会の日時が決定する
失業後に求職の意思があり失業保険を受けたい場合は、離職票の提出と求職の申し込みが必要です。
窓口で求職の申し込みをした後に、受給資格が決定すれば「失業等給付受給資格者のしおり」が配布されます。
なお、失業保険を受給するには、求職の申し込みだけでなく後日開催される「雇用保険説明会」に参加しなければなりません。開催日時は、申請日から7日後以降になるため、忘れずにメモに控えておきましょう。
待機期間を過ごす
ハローワークで求職の申し込みをして失業保険の受給資格を得ると、7日間の待機期間が設けられます。この期間は、実際に失業状況にあるかどうかをハローワークが調査する期間であり、求職申し込みをした日から失業期間が7日に満たない場合は失業保険が給付されません。
待機期間中に行った短時間の勤務やアルバイトは就労とみなされるため、一切の就労をしないように注意が必要です。
また、失業保険の受給期間中に再就職が決定した場合、残りの給付日数に応じて再就職手当を受け取れます。ただし、待期期間中に入社日を迎えた場合は再就職手当を受け取る事はできなくなるため、再就職手当の受給を検討している方は再就職のタイミングに注意しましょう。
雇用保険説明会に参加する
失業保険をもらうには、求職の申し込み時に案内された雇用保険受給説明会に参加する必要があります。
雇用保険説明会では失業保険の仕組みや受給の流れ、求職方法などが詳しく説明されるため、失業保険や再就職に際して理解を深めるよう努めましょう。
なお、求職申し込み時にも説明がありますが、雇用保険説明会には、以下の持ち物を必ず持参してください。
- 雇用保険受給資格者のしおり
- 印鑑
- 筆記用具
雇用保険説明会が終了すれば、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書が交付され、初回の失業認定日が案内されます。
失業認定日にハローワークを訪れる
「失業認定日」とは、ハローワークが求職者が失業状態にある事実を認定する日です。求職者はハローワーク窓口に失業認定申告書を提出し、期間中の就職活動の実績を報告しなければなりません。
通常は、ハローワークから4週間ごとに1度指定された日が失業認定日となります。なお、初回の失業認定日は、離職票を提出した日から約3週間後に設定されるため、忘れないようにメモなどに残しておきましょう。
派遣の失業保険に関するよくある疑問
ここからは、派遣社員が失業保険をもらう際によくある疑問にお応えします。
1年で辞めても失業保険はもらえますか?
1年で離職して失業保険をもらうことは可能ですが、「離職前の2年間で雇用保険の被保険者期間が通算で12ヵ月以上あること」が条件です。
そのため、1年間の勤務期間中に雇用保険に加入していた場合は、受給資格を満たす可能性があります。ただし、退職理由が会社都合(解雇や倒産など)の場合は、被保険者期間の条件が「離職前の1年間で通算6ヵ月以上」に緩和されます。
ご自身が失業保険をもらえるかどうかは、離職前における被保険者期間と退職理由をご確認ください。
退職理由はどのように判断されますか?
一般的な派遣社員の退職理由の判断基準は、以下のとおりです。
契約期間満了時に、派遣労働者本人にこれ以上働く意思がない場合は、ただちに雇用保険の被保険者資格を喪失し、自己都合退職として扱われます。
一方で、契約期間満了時に派遣労働者が働く意思を示している場合には、雇用保険の被保険者資格の喪失まで1ヵ月の猶予期間が設けられるため、留意が必要です。猶予期間中に派遣会社から新たな派遣先の紹介がない、または契約の合意に至らなかった場合は、会社都合退職または「特定理由離職者」としての自己都合退職となります。
次の仕事が決まるまで失業保険はもらえますか?
一般に、受給資格を満たしている間は、所定の給付日数に限り次の仕事が決まるまで失業保険をもらえます。
失業保険は、働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない状態にある場合に支給される手当であるためです。
ただし、自己都合退職の場合は7日間の待機期間の終了後、さらに2ヵ月間(2025年4月からは1か月)の給付制限期間が設けられるため、実際に受給が開始されるまでに時間がかかる点に注意が必要です。
まとめ
派遣社員で失業保険をすぐもらうには、受給要件を満たしたうえで「会社都合退職」もしくは「特定理由離職者」に該当する「自己都合退職」である必要があります。
また、失業保険は原則として離職の日から1年間、所定給付日数に限って支給されますが、病気やけがなど特別の事情がある場合は、最長3年まで受給期間を延長可能です。
失業保険を受給するには、離職後にハローワーク窓口で求職申し込みをして、雇用保険説明会に参加する必要があります。雇用保険説明会では失業保険に関する説明もあるので、受給に関して不明な点は相談すると良いでしょう。
失業保険の受給手続きや給付に関するご不安をお持ちの方は「社会保険給付金サポート」のご利用をおすすめします。実績豊富な専門家が受給手続きを丁寧にお手伝いいたしますので、離職をお考えの派遣社員の方はお気軽にご相談ください。
社会保険給付金サポートのお問い合わせはこちら▼
おすすめの関連記事
- CATEGORY
- 給付金について
- 転職・再就職について
- 就労について
- 新型コロナウイルスについて
- 社会保険について
- 退職代行について
- 税金について
- 精神疾患について
- サービスについて
- 退職について
- 障害年金について
- ピックアップ
- 人気記事
-
退職代行サービスの利用方法、実際の流れと体験談を紹介
-
今の会社に3年後もいる自信はありますか?
-
退職代行を利用した時の有給消化の仕組みとその対応方法
-
退職代行サービスを使うメリット・デメリットは?
-
ブラック企業を判定する方法と実際のチェックポイント
-
障害年金を知ろう
-
会社を“円満に退職する”方法は?
-
退職時の引き継ぎは必須?スムーズな業務引き継ぎのポイント
-
パワハラ、モラハラ、セクハラとは?
-
辞めさせてくれない!そんな時こそ「退職代行サービス」
テーマ
- クレジットカード
- 資格取得
- 退職願
- 職業訓練受講手当
- 自己PR
- 社会保険給付金
- 退職代行
- アルバイト
- 精神疾患
- 退職届
- インフルエンザ
- 確定申告
- 職業訓練受講給付金
- 退職代行サービス
- 雇用保険
- うつ病
- 面接
- 感染症
- 保険料
- 退職給付金
- ブラック企業
- 健康保険
- 統合失調症
- 障害手当金
- 引っ越し
- 社会保障
- ハローワーク
- ハラスメント
- 年金
- 契約社員
- 自己都合
- 社宅
- 就職
- 就業手当
- パワハラ
- 転職活動
- 弁護士
- 会社都合
- 障害者手帳
- 労働基準法
- 傷病手当
- モラハラ
- 転職サイト
- 公的貸付制度
- 失業給付
- 精神保険福祉手帳
- 雇用契約
- 退職コンシェルジュ
- セクハラ
- 職務経歴書
- 生活福祉資金貸付制度
- 新型コロナウイルス
- 労災
- 内定
- 社会保険給付金サポート
- 障害年金
- 人間関係
- 通勤定期券
- 有給消化
- 産休
- 就労移行支援
- 雇用保険サポート
- 引き継ぎ
- スタートアップ
- 不支給
- 休職
- 育児休暇
- 業務委託
- 退職手当
- 給与
- 転職
- 等級
- 免除申請
- 解雇
- 社会保険
- 残業代
- 違法派遣
- 離職票
- 適応障害
- 大企業
- 福利厚生
- 退職金
- 派遣契約
- 労務不能
- 住宅確保給付
- 中小企業
- 失業手当
- 会社都合退職
- 障害厚生年金
- 傷病手当金
- 給付金
- ベンチャー企業
- 就職困難者
- 自己都合退職
- 失業保険
- 年末調整
- 職業訓練
- 会社倒産
- 再就職手当
- 退職
- ブランク期間
- 障害者控除
- 再就職
- 退職勧奨
- 転職エージェント