2024.11.14

転職・再就職について

職業訓練受講給付金を受給するデメリットは?給付条件や受給時の注意点も紹介

退職してからすぐに転職をしない場合、次はどんな仕事をしようかと悩むものです。そのブランク期間を利用して、お金をもらいながら資格を取得できることはご存じでしょうか?

ハローワークの職業訓練校では、資格取得のための勉強をしながら補助金ももらうことができます。有意義な離職期間にするためにも、職業訓練校について知っておきましょう。

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職業訓練校とは?職業訓練校の分類について

職業訓練校は、ハローワークが行う資格取得のためのサポート制度です。さまざまな訓練を行うことで、新しい仕事を始めるための知識やスキルを身に付けることができます。職業訓練校は大きく分けると2つの制度に分類されており、自身の状況に当てはまる制度を利用します。

公共職業訓練

公共職業訓練は、失業保険を受給している人が対象者になります。就職するために必要となるスキルや知識を講座にて学ぶことができ、受講は無料です。ただし、テキスト代は自己負担になります。職業訓練を受講することで、失業保険の給付を課程修了まで延長することも可能です。

求職者訓練

求職者訓練は、失業保険を受給していない人が対象者の職業訓練です。失業保険を受給していたものの受給期間が終了したという人も対象になります。求職者訓練も受講費用は無料となり、テキスト代は自己負担です。公共職業訓練と異なる点は、職業訓練受講手当という給付を毎月もらえる可能性があるという点です。

お金をもらいながら資格が取れる「職業訓練受講手当給付金」とは?

職業訓練には、紹介したように公共職業訓練と求職者訓練の2種類があります。そして、失業給付のない求職者訓練の場合には「職業訓練受講給付金」によって、受講しながらお金をもらうことが出来る可能性があります。

職業訓練受講手当給付金とは

職業訓練受講手当給付金は、金銭的な問題を抱える職業訓練を受講する人をサポートする目的の給付金です。一定の条件を満たした失業給付を受けていない人が職業訓練を受講しながら受け取ることができます。月額として10万円支給され、上限はありますが訓練期間までの交通費も支給してもらえます。

失業給付を受け取っていない人にとっては非常に大きな支えとなる給付金といえるでしょう。

職業訓練受講手当の給付条件

職業訓練受講手当を受給できれば、収入がないブランク期間も安心して資格取得のための勉強ができます。しかし、その給付条件は厳しいものとなり、失業保険をもらっていない人を対象とした求職者訓練を受講する前提で以下の条件も満たしている必要があります。

  • 本人の収入が月8万円以下
  • 世帯全体の収入が月30万円以下もしくは年収300万円以下
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • 現在住んでいる住宅以外に土地や建物を所有していない
  • 訓練実施日に全て出席している
  • 同世帯の中で同じ給付金を受講しながら訓練を受けている人がいない
  • 過去3年以内に不正や偽りによって特定の給付金の支給を受けていない
  • 過去6年以内に職業訓練受講給付金の支給を受けていない

 

給付金を受給するためには、講座に必ず出席しないといけないという条件があり、やむを得ない理由がある場合であっても支給申請の訓練期間の8割以上の出席が必要です。また、遅刻や早退が1度でもあれば支給されなくなります。そのため、真面目に職業訓練に出席することが条件であると言えます。

職業訓練受講給付金を受給するメリット

職業訓練受講給付金の給付条件は厳しいものの、受給できればお金をもらいながら次のステップへ進む準備ができるでしょう。ここでは、職業訓練受講給付金を受給するメリットを2つ紹介します。

給付金をもらいながら知識・スキルを身につけられる

職業訓練受講給付金のメリットは、給付金を受け取りながら専門的な知識やスキルを身につけられることです。求職中でお金に余裕がないと、「早く次の就労先を見つけなければ」と焦って求職活動をしてしまいがちですが、給付金があることで訓練に集中できるので、スキルの習得に専念できます。

未経験の職業に挑戦しやすくなる

給付金を受給しながら職業訓練を受けることになれば、今まで挑戦したことのない分野へ挑戦する余裕が生まれます。自分でお金と時間をかけてスキルを習得するとなると、求職中にその余裕はない方も多いかもしれません。

しかし、給付金の支援があれば、新しいジャンルの知識やスキルを学べるため、再就職の際も新しい分野へ挑戦しやすくなります。また、資格の取得により他の求職者と差をつけられることから、転職市場で求められる人材になれるでしょう。

職業訓練受講給付金を受給するデメリット

職業訓練受講給付金を受給すれば、求職活動を有利に進められるメリットがある一方、デメリットも存在します。給付金の受給で想定されるデメリットを3つ紹介します。

事務手続きに時間がかかる

職業訓練受講給付金を受給するには、ハローワークで求職申込みをしたうえで、職業訓練の受講申込みと給付金の審査を申請します。さらに、給付金申請後には面接や筆記試験といった選考での合格が必要です。

給付金を受けない場合と比較し、必要書類の準備や手続きに時間がかかります。また、給付金の支給を継続するためには、定期的な書類の提出や報告を行う必要があります。

就職時期が遅くなる

給付金を受給しながら職業訓練を受ける場合、就職時期が遅くなってしまうこともデメリットです。

職業訓練を受ける間は訓練に集中するため、訓練が完了してから本格的な求職活動を行うことになります。再就職までに時間がかかることから、給付金をもらっていても金銭面の問題が不安要素になるかもしれません。

また、求職活動のタイミングがずれることで、求人数が減ったり、希望の求人条件と合致する案件が少なくなったりする可能性も懸念されます。

訓練期間は時間が拘束される

職業訓練受講給付金を受給するには厳しい条件を満たす必要があり、訓練期間中は時間に拘束されることもデメリットの一つです。

8割以上の出席日数がないと給付金はもらえない

給付金の支給条件として、訓練の出席率が一定基準を満たしている必要があります。基本的には訓練実施日すべてに出席することが求められます。やむを得ない理由で欠席する場合でも、出席率が8割以上であることが必要です。

正当な理由なく欠席を繰り返すと、給付金の支給が停止される可能性があります。出席に関する規則を遵守しましょう。

受講中も月1回の職業相談が必要

給付金を受給しながら職業訓練を受講する場合でも、月1回の職業相談を受ける必要があります。職業訓練中も求職活動再開に向けて、定期的な面談が義務付けられているためです。

職業相談の内容によっては、追加で書類や情報の提出を求められる場合もあるため、職業訓練と並行して求職活動の準備を進める必要があるでしょう。

職業訓練受講給付金を受給する際の注意点

給付金を受け取りながらスキルを磨ける職業訓練受講給付金制度ですが、注意しておきたい点もいくつかあります。

ここでは職業訓練受講給付金の申請前に知っておきたい注意点を3つ解説します。

事前審査の条件が厳しいとされている

職業訓練受講給付金を受給するには、厳しい条件の事前審査を通過しなければなりません。事前審査では、前述の支給条件に加えて、受講者の経済状況や求職活動への意欲なども審査されます。

事前審査に合格したとしても、毎月行われる支給申請の審査に通らなければ、給付金の支給が停止される可能性があります。審査を受ける際は、事前に要件を満たしているかなど十分に確認しておく必要があるでしょう。

給付金だけでは経済的に不十分な場合がある

職業訓練受講給付金は月額10万円で、訓練施設への通所手当も上限42,500円です。そのため、ご自身の経済状況によっては、生活費が不足する場合もあるでしょう。他の収入源を確保したり、貯蓄を取り崩したりする必要が生じる可能性もあります。

給付金だけでは生活が難しい場合は、パートやアルバイトなどで収入を得ることも考えられます。ただし、その場合は、職業訓練受講給付金の支給要件である「本人の収入が月8万円以下」を超えないように注意する必要があります。また、職業訓練のスケジュールと両立できる働き方を選ぶ必要もあるでしょう。

継続して受給するためには定期的な手続きが必要

職業訓練受講給付金を継続して受給するには、定期的な手続きや報告が必要です。手続きや報告を怠ると、受給資格を失い、給付金の支給が停止される可能性があります。

訓練の進捗状況や出席状況の報告など、必要な手続きや報告は、事前にしっかりと確認しておきましょう。

職業訓練ではどんな講座をどこで受けられるのか?

職業訓練では、就職するために必要な知識やスキルなどを勉強することができます。資格を取得するには一般的には講座費用などが発生するものですが、ハローワークの職業訓練を利用すれば無料で必要な資格を取得できるのです。どんな講座をどこで受けられるのか紹介します。

職業訓練の講座場所とは?

職業訓練はハローワークが主催しているものですが、ハローワークにて受講できるというものではありません。職業訓練は全国でさまざまな講座が開かれており、国や各都道府県から委託された民間の教育訓練機関が実施しています。そのため、住んでいる都道府県によって受講できる場所は異なり、訓練内容によっても異なります。

職業能力開発校は職業能力開発促進センター、職業能力開発短期大学校などで行われるだけではなく、民間のカルチャースクールや専門学校などに委託しているケースもあります。

職業訓練のコース内容

職業訓練では自身の身に付けたスキルを選ぶことができ、そのコース内容は多岐にわたります。実績的なスキルを身に付けられるように簿記やパソコンなどの事務などのコースもあれば、WEB制作やプログラミングなどIT関係に関するコースもあります。また、不動産や金融、介護、建設、ファッションなどさまざまな分野のコース内容があり、自身が再就職したい職業の訓練を受けられるようになっているのです。

どういったコースを選ぶべきか迷っている場合には、ハローワークで相談することも可能です。コース内容や受講状況など詳しく知ることが出来ます。

職業訓練に申し込む方法とは?

職業訓練を受けるためには、まず受講申し込みを行わなければなりません。自身がどんなスキルを身に付けたいのか決まったら、講習内容を確認して必要な訓練の申し込みを行います。ただし、申し込めば誰でも受講できるわけではなく、試験や面接もあります。

職業訓練の申し込みは訓練校の管轄ハローワークにて申請を行います。受講申込書と一緒に雇用保険受給資格者証と写真(4×3㎝)を準備して提出します。その後、選考試験として筆記試験が行われます。コースには人気が高いものもあり、学力テストや適性検査によって選考試験を行うのです。

場合によっては面接を行うようなケースもあります。そして、その後合格判定が届けば、管轄のハローワークで入学手続きを行うことで訓練を受けることができるようになります。

まとめ

職業訓練では、失業しているブランク期間に就職へ必要なスキルを無料で身に付けることができます。しかも、失業保険を受け取っていない場合には、お金をもらいながら受講できるのです。退職してからの将来を不安に思って退職できないような場合でも、職業訓練で新しい知識やスキルを身に付けることが可能です。

退職コンシェルジュでは、退職に関するサービスを提供しています。退職をお考えの際にはぜひお気軽にご相談ください。

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