2024.11.10

給付金について

退職給付金とは?種類や支給条件・支給額を詳しく解説

退職後の生活費が心配という人も多いでしょう。退職後にもらえるお金には、企業から支給される退職金以外にも、失業保険や傷病手当金など、さまざまな制度があります。

退職後の生活を安心して過ごすためにも、自分に適した退職給付金を知っておくことが重要です。この記事では退職給付金の基礎知識から種類、注意点を説明します。

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退職給付金とは?

退職給付金とは、離職や休職をした際に、収入の減少を補う目的で支給される制度です。種類によって支給期間、手続き方法、支給目的、対象者が異なるのが特徴です。

退職時に支払われる金銭には、「退職金」「退職給付制度」など似たような言葉があり、違いが分かりにくいという方もいるかもしれません。そこで、まずは退職金や退職給付制度との違いについて解説します。

退職金との違い

退職金とは、退職時に企業から従業員に対して支払われる一時金のことです。退職金は企業独自の制度であり、法律で義務付けられているものではありません。そのため、退職金の有無、支給額、支給方法は企業によって異なります。

一方、退職給付金は、国や地方自治体などが運営する公的な制度に基づいて支給されるものです。それぞれの給付金の支給要件を満たしていれば、所定の手続きを行うことで受給できます。

退職給付制度との違い

退職給付制度とは、企業が従業員の退職後に備え、退職金や年金などを支給するための制度のことです。退職金は一括で支給される場合が多いですが、分割して年金として支給される場合もあります。企業によっては、一括で受け取るか、年金として分割で受け取るかを選択することも可能です。

企業によっては、福利厚生の一環として退職給付制度を導入し、従業員が退職後のライフプランに合わせて退職金の受け取り方を選択できるようになっています。一方、退職給付金は、企業ではなく、国や地方自治体などの公的機関が提供する制度です。

退職給付金の種類を確認しよう

退職給付金には、以下のような種類があります。

種類

概要

失業保険

・失業中、収入の心配をせず新しい仕事探しができるように支給される手当

・退職前2年間、12か月以上雇用保険に加入している

・退職前6か月間の総支給の平均の50%~80%の範囲で支給

広域求職活動費

・遠隔地の企業との面接や見学を行うための活動費として支給される手当

・交通費や宿泊費が支給対象

・証明書の提出を求められる場合がある

傷病手当金

・病気やケガで働けなくなった時に、社会保険から支給される手当

・病気やケガで連続して4日以上働けない社会保険加入者が対象

・申請前1年間の標準報酬月額平均の3分の2の金額を支給

就職促進給付

・失業中の労働者に対して再就職の促進を目的とした制度

・再就職手当や就業手当、常用就職支度金などがある

求職者支援制度

・再就職や転職に役立つスキルを身に付ける目的で、給付金をもらいながら職業訓練を受講できる制度

・支援の内容によって金額が変動

求職者支援金融制度

・求職者支援制度で職業訓練を受講する人を対象にした、貸付制度

・訓練中に生活費の融資を受けられる

特例一時金

・季節的雇用などの短期雇用特例被保険者が失業した場合に支給される手当

未払賃金立替払制度

・企業倒産によって賃金が支払われないまま退職した場合に、未払賃金の一部を行政法人が立て替えてくれる制度

・未払いになっている賃金額の80%が支給対象

年金

・日本に住む20歳以上60歳未満が加入している年金制度

・老後や傷病によって働けなくなったときに社会保険から支給される

・国民年金と厚生年金、公務員独自の退職年金などがある

退職金

・一定期間企業で働いた場合に、企業から支給される金銭

・対象者や金額などは企業の任意

それぞれの詳しい支給条件や金額は、こちらの記事を参考にしてみてください。

参考:退職給付金には何がある?種類別の支給額をチェックしよう

退職給付金における3つの注意点

ここでは、退職給付金における注意点を解説します。損をしないように、しっかりと確認しておきましょう。

申請対象になっている給付金を確認しておく

退職給付金にはさまざまな種類があり、どの給付金が自分の状況に適用されるか確認するのが重要です。

例えば、厚生年金は、勤めていた企業の規模や加入期間によって受給額が異なります。そのため自分がどの年金が対象となるのか知ることで、どのくらいの金額をいつから貰えるのかなど、内容を具体的に把握できるでしょう。

また、種類によって条件や支給内容、手続きが異なるため、詳細を事前に把握しておくとスムーズに申請手続きが進められます。

申請書類をすべてそろえてから申請する

退職給付金の申請には、さまざまな書類が必要です。例えば、失業保険と傷病手当金の申請時に必要になる主な書類は次のとおりです。

失業保険

傷病手当金

雇用保険被保険者離職票

雇用保険被保険者証

マイナンバー

身分証明書

健康保険傷病手当金支給申請書×4枚

(被保険者記入用2枚と事業主記入用、療養担当者記入用)

申請書類に不足や不備があった場合、支給に遅れが生じる場合もあるため、書類は漏れなく準備して提出前にはしっかりと確認を行うようにしましょう。

申請の時効を過ぎないように注意する

退職給付金には申請できる期間、いわゆる時効が定められているケースが多いです。一般的に給付金は、退職後すぐに請求の権利が発生しますが、一定の期間を過ぎると権利が失効してしまいます。

例えば、未払賃金立替払制度の申請期間は、基本的に2年以内です。法律上の倒産か事実上の倒産かによって基準開始日は異なりますが、期限内に立替払請求書を提出しなければ、未払賃金はもらえないまま時効となってしまいます。

せっかく給付制度を活用できる対象者となっていても、時効を過ぎてしまうと給付金の受け取りができなくなってしまうため、申請のタイミングを逃さないことが重要です。

退職給付金におけるよくある質問

自己都合で退職した場合でも、失業保険は一定条件を満たせば支給される退職給付金制度です。

自己都合の退職でも退職給付金を支給してもらえる?

自己都合で会社を辞めた場合、退職給付金をもらえないのでは? と思い、生活に不安を抱く方もいるでしょう。
しかし失業保険は以下の3つの条件を満たしていれば、賃金日額のおよそ50%〜80%が支給されます。

1.失業状態であること

2.退職前の2年間で雇用保険に通算12か月以上加入していること

3.ハローワークで求職の申し込みをすること

 

ただし、自己都合で退職した場合は、原則として2か月の給付制限期間が設けられています。この期間が経過しないと、失業保険は支給されません。

給付制限期間を理解せずに会社を辞めてしまうと、収入が途絶えて生活に困ってしまう可能性があります。そうならないためにも、自己都合による退職で失業保険を受給する場合は、23か月の給付制限期間があることを覚えておきましょう。

パート・アルバイトでも退職給付金が支給される?

パート・アルバイトでも、失業保険や傷病手当金などの公的な支援サービスは支給対象になることがあります。ただし雇用保険の加入には次の2つの条件を満たす必要があるので、必ずしも対象となるとは限りません。

1.1週間の所定労働時間が20時間以上になること

2.31日以上引き続き雇用されることが見込まれていること

上記の条件を満たしている場合、雇用形態にかかわらず雇用保険に加入することになるため、一定の要件を満たせば、失業保険や傷病手当金が支給されます。

パート・アルバイトだからといって、退職給付金の対象外だと決めつけずに、一度確認してみるのがおすすめです。

退職給付金の支給要件や申請方法について詳しく知りたい場合は以下の記事を参考にしてください。
参考:退職後にもらえる給付金一覧!8種類の制度を詳しく紹介

まとめ

退職を考えている人やすでに退職している人は、自分に適した支援制度がないかチェックしてみてください。ただし、公的な支援制度は難しくてよくわからない、という人もいるでしょう。

そのような方は、プロに相談してみるのがおすすめです。退職コンシェルジュが行う社会保険給付サポートサービスなら、全国どこでも対応が可能です。

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