2019.05.24
退職について
「即時退職」の前にやっておきたいこと3つ
退職代行サービスを利用して「すぐにでもこんなストレスだらけの勤務先から退職してやる!」と考えている人もいるかと思います。しかし、もし、一週間から数日間、退職を連絡することを待つことができる状況であれば、その間にできて、退職時・退職後に役立つことがいくつかありますので、今回はそれらを紹介しましょう。
ちょっと待って! まず「事前相談」と予定表!
「もうこんな会社に一分一秒たりとも居たくない」という状況になったとしても、まず、退職代行サービスに、自分の現在の状況を落ち着いて相談することがポイントです。
退職に向かって何をすべきかをきちんと整理して、簡単でも構いませんので行動予定表を作りましょう。退職代行サービスなどの専門家に相談してから作ってもいいでしょう。退職の専門家から、適切なアドバイスを貰うことで、退職代行が退職届けを勤務先に提出する前にすべきこと、提出後にすべきことを把握しておくことが重要です。
また、残業代・休日出勤等の未払いがあったり、さらに退職金支払いについて問題がある場合は、退職関連問題に詳しい弁護士に相談した方がよいこともあります。なぜなら、勤務先に連絡後、交渉が必要になるケースに対応できるのは弁護士だけだからです。
勤務先職場でパワハラ(パワーハラスメント)やセクハラ(セクシャルハラスメント)、モラハラ(モラルハラスメント)等、トラブルがあった場合は専門家に相談して、適切なアドバイスを受けてください。一人で悩まないのがポイントです。
「引き継ぎ」を考えている場合はどうする?
引き継ぎ事項を退職代行サービスから勤務先に伝言してもらうこともできます。その場合は、退職の連絡と同時に伝えてもらえるように要点をまとめたメモを作っておくと良いでしょう。もちろん引き継ぎは法的には義務ではありませんから、必ずやる必要がある訳ではありません。退職代行サービスが退職の意思を勤務先に電話で伝える場合には、伝達ミスを防ぐ意味で、可能であれば引き継ぎ事項は箇条書きにしてメールで送ってもらうのがベストです。
会社に置いた私物などはどうする?
また、私物を勤務先職場に置いてあるならば同時に返送依頼を退職代行サービスに伝えます。
会社からの貸与物や社員証、保険証などは勤務先に返還します。自分で返還する場合は、社員証・保険証は退職代行サービスに伝えた退職日の翌日、簡易書留など相手が受け取ったことが分かる形で送付するといいでしょう。退職代行サービスの中には、それらの返還についてもサービス内に含む場合もあるので、それらについてもきちんと確認しておくと良いでしょう。
就活中の急な出費に備えるために
退職代行サービスを利用して退職する場合、勤務先に通知するまで数日余裕があるようならば、営業日2~3日程度で審査・発行を行うクレジットカードを作っておく、あるいは家族の誰かがクレジットカードを持っている場合は、家族カードを作っておくとよいでしょう。ただ、退職日から日をおかずに次の勤務先への就職が決まっているならば、慌ててクレジットカードを作る必要はないかもしれません。
返済のできる範囲でのクレジットカードの利用が前提なのは当然です。クレジットカードの利用を積極的に勧めているわけではありませんが、例えば失業中に何かの事情で急に面接の旅費やスーツ代などが必要となることがありますが、失業保険の給付はアルバイト等に厳密な条件を設定しています。就職活動などで急にお金が入り用になったからといってアルバイトをしたら、給付の制限に抵触する場合もあります。
このように失業期間中の突然の出費に対応できるよう、可能であれば、あらかじめ準備をすることを念頭に置いてもらえたらと思います。
タイムカードなど勤怠状況がわかるものを手元に用意!
「なぜ、タイムカードが重要なの?」とお思いの人もおられると思いますが、順を追って説明していきたいと思います。
まず、退職には「会社都合退職」と「自己都合退職」の2種類があるのはご存じでしょうか?
「会社都合退職」とは、勤務先企業が経営不振やリストラなどにより、労働者との雇用契約を会社側から解除するものです。労働者が早期退職制度に応募して退職した場合も、この会社都合退職として扱われます。
「自己都合退職」とは、労働者が自分の意思で勤務先企業に退職を申し出るものです。
例えば退職代行サービスを利用して退職の意思を伝えた、という事例であれば、自分の退職の意思で退職したことになりますから自己都合退職になります。履歴書に記載する際にも、会社都合退職を勝手に自己都合退職に記載を変更することはできません。
失業保険の給付でも、会社都合退職と自己都合退職では扱いが異なります。自己都合退職の場合、ハローワークに離職票を提出後、待機期間7日に加え、さらに3カ月の給付制限があり、その後でないと失業給付金を受け取ることができません。それに対して会社都合退職の場合には、待機期間7日間に加えて約1カ月後に初回の失業給付金を受け取ることができます。
また、自己都合退職は給付日数が90~150日、最大支給額が約118万円、国民健康保険は通常納付する必要があります。それに対して会社都合退職は給付日数が90~330日、最大支給額が約260万円、最大2年間軽減されます。
自己都合退職を会社都合退職扱いにできる?
ただし、例えばブラック企業で月70時間にも及ぶ残業を課せられていた、などの事情をハローワークに証明することができれば、自己都合退職であっても会社都合退職扱いに変更して貰える可能性があります。そのためには離職前3ヶ月間に時間外労働があったことを証明するタイムカードを添えて、ハローワークに相談する必要があります。つまりタイムカードは退職事由を変更したい場合には、重要な証明書類になるのです。
退職代行サービスに相談し、勤務先企業に連絡してもらう日を決めたら、即座にタイムカード、あるいは社内ネットワーク上の勤怠表が閲覧できる場合はそのプリントアウトやスクリーンショット(画面の画像データ記録のこと)を保存しておきましょう。前に書いたように最低でも3ヶ月、可能ならここ1年分などできるだけ長期間の勤怠がわかることがベストです。
また、タイムカードを退勤にしてからも業務を継続させられた等の場合は、スマートフォンのライフログ系アプリの日時と場所の記録を傍証としてハローワークに持って行けるようにしておくと良いでしょう。
なお、ハローワークでは、他にも次のような状況で自己都合退職から会社都合退職扱いに変更してもらえることがあります。これは「特定理由離職者」というもので、この他には、強いストレスで心身に障害が発生した場合、残業が多い、給与の減額、給与の未払いや遅配、勤務先職場の遠地移転なども含まれます。これらについてはこの「退職おもてなし」ブログの今後の記事でより詳しく紹介していきたいと思っています。
退職を決めるということは、心身の負担も大きく、さまざまなストレスを感じる場合も多く大変ですが、退職後の自分の環境を良くするために、これらのアドバイスがぜひ参考になればと思います。
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退職コンシェルジュでは退職者に向けた様々なサービスをご用意し、皆様ひとりひとりの”パートナー”として丁寧かつ迅速にサポートをさせていただきます。 退職する際の社会保険給付金、退職代行、引越し等なんでもご相談ください。ご相談は無料で行っております。
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