2023.11.17
退職について
寿退社のメリットとデメリット、今時の事情を解説
昔は、結婚したら女性は会社を退職するという、「寿退社」が当たり前な時代もありました。しかし、令和の現代においては結婚しても仕事を続ける女性が多く、寿退社するケースは少なくなっています。また、中には男性側が寿退社をし、バリバリ働く女性を支えて行くという場合もあるのです。ただ、近年でも個人の考えや状況により寿退社を選ぶ人はいることでしょう。本記事では、退職の種類のひとつとして寿退社がアリなのかついて、解説します。
退職の種類として寿退社はもちろんアリ
今日では、共働きの夫婦が多い世の中になっています。しかし、ある調査によると、1980年には専業主婦世帯約1100万世帯に対し、共働き世帯は約600万世帯と半数近くも少ない状況にあったのも事実です。ところが、時代の変化とともに専業主婦世帯は減少。2021年においては、共働き世帯が約1200万世帯となり、専業主婦世帯の約560万世帯を大きく超える結果となりました。
★世帯数データ参照URL
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html
ただ、共働き世帯が増えているといっても、結婚すれば独身のときとは少なからず状況は変わるものです。今まで、自分自身のことだけで良かったのが、パートナーのことも含めて考えなければならなくなります。そのため、家事の分担を始めとする日々の生活スタイルについて、話し合う必要が出てくるのです。例えば、結婚後も仕事を続けるとなると、お互いの出勤や退勤時間、休日、福祉厚生の詳細を理解したうえで、2人の過ごし方をすり合わせなければ、上手くは行かないでしょう。
また、結婚後の2人の生き方をどうするかについては、お互いの考え方や夫婦のどちらかが働けば生活していける程度の収入があるかどうかによっても、変化します。そのため、結婚したら専業主婦(夫)になって、パートナーを支えたいという考えも否定できるものではありませんし、どちらかの収入のみで生活できるから、寿退社をするという選択もアリだと言えるのです。
退職はあくまでも自分の意思で決める
結婚にしろ他の理由にしろ、会社を退職するのを戸惑う人は多いかもしれません。特に、働いている部署が人材不足な場合には、「退職します」「寿退社を決めました」などとは言いづらいこともあるでしょう。なぜなら、会社や残る同僚などに対して穴を空け、迷惑をかけると感じてしまいがちだからです。しかし、退職するかどうかは自分自身の問題で、会社側の問題ではありません。そして、その決断を会社側も止める権利はないと言えます。
例えば、業績不振による人員整理などの会社側の都合によるリストラであれば、会社都合退職となるため、会社側の意思が入ります。ただ、社員の問題による自己都合退職であれば、会社側は社員の意思を尊重する必要があるのです。
社員自身の人生は死ぬまで続きますが、退職は一瞬の出来事のようなもの。そのため、退職に関しては自分で決断することを大切にしてくださいね。
本当は退職したくないけれど、会社に対して不満がある場合も
結婚後、子どもを持つ人は多くいます。そして、子どもが生まれれば、女性はどうしても働くことができない時期があります。このような社員を配慮したものが、産休や育休制度です。これは国の法律として定められており、社員側が申し出れば、会社は産休や育休の取得を許可しなければならないとされています。
ところが、いくら法律が制定されていても、会社側が快く許可するかどうかについては、会社によって違いが出る可能性があると言われています。例えば、産休や育休制度を利用する社員が多ければ、会社側もそれが当たり前だという意識が生まれ、子どもを持っても働き続けやすい環境になるでしょう。しかし、これらの制度に理解がなく、歴代社員も利用をしていないという会社であれば、自然と退職に追い込まれる雰囲気になり、寿退社を選ばざるを得ないこともあるかもしれません。
一方、産休や育休制度が充実していても、会社内の人間関係が悪いために、退職を考える人もめずらしくはないでしょう。結婚すると日常生活が大きく変化するので大変なことが多いうえに、会社でのストレスまで加われば、今まで以上に疲労困憊する可能性が否めません。そういうときは、結婚を区切りとして退職する方が、自分の人生が楽になることもあり得ます。また、寿退社であれば退職の理由として角が立ちにくいので、人間関係において余分な気も遣わずに済みます。
今の会社を退職しても、その後の働き方は幅広い
退職に関しては人それぞれ思うところはあるでしょうが、会社を寿退社したとしても、すべてが終わりというわけではないことを覚えておきましょう。現に、今の会社を退職しても、将来は夫婦2人に合った勤務時間や休日、利用できる制度が整っている新しい会社を見つけることもできるのです。また、どちらかの収入だけで経済的に余裕があるならば、専業主婦(夫)として家庭を支えて行っても問題はありません。主婦(夫)業に給料は支払われないものの、立派な仕事であることに変わりはないからです。
確かに、現在は寿退社が少なくなったという事実はあります。しかし、結婚後の働き方をどうするのかは、しっかりと話し合い、夫婦が納得のいく形で進めて行くことが重要です。
まとめ
「寿退社」と言うと、昔の働き方のイメージを持ってしまう人もいるでしょう。女性の社会進出や働くうえでの男女平等、ジェンダーギャップの溝を埋める活動などを通して、女性も男性も結婚しても関係なく、働き続けるケースがめずらしくなくなったのは事実です。一方で、現代は、女性も男性も画一的な働き方や生き方に当てはめることができない時代になりました。そのため、寿退社も共働きも、当然なこととしてアリだと言えます。
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