2022.03.04
退職について
一生フリーターで大丈夫?そのリスクと転職タイミングを考える
現在の日本において、「フリーター」という言葉はすっかり定着したものになりました。アルバイトやパートで生計を立てるフリーターは、不安定な雇用形態ではありますが、柔軟な働き方ができることが特徴です。しかし、突然解雇される可能性も否めず、雇用保険や健康保険が不十分な点がデメリットだと言えるでしょう。そのため、一生フリーターでいるとしたら、ある程度の覚悟が必要になります。ここでは、一生フリーターのままで働くことがマズい理由についてお話します。
フリーターの定義とは
フリーターはすでになじみのある言葉となりましたが、そもそもフリーターの定義はご存じでしょうか?フリーターは、フリーアルバイターの略で、日本では1980年代から使われるようになりました。フリーターとは、定職に就かずにアルバイトやパートで生活をしている人のことですが、厚生労働省の定めにおいては、以下のような人をフリーターとみなしています。
- 15歳~34歳までの若者であること(学生や主婦(夫)は除く)
- アルバイトやパートで生計を立てていること
- アルバイトやパートで働く意思のある無職の人
厚生労働省の定義では、上記に該当する人がフリーターと呼ばれます。しかし、大きな意味では35歳以上の人も、フリーターと捉えられることもあります。なぜなら、実際に中高年でフリーターとして働く人も大勢いるからです。
メリットもある!フリーターとしての働き方
人によって、フリーターにはマイナスなイメージを持つ場合もあるでしょうが、フリーターはメリットも備えています。まず挙げられるのは、働く日時をある程度柔軟に決めることができるという点です。正社員であれば、週5日の40時間勤務が一般的ですが、フリーターは自分が週に何日出勤して何時間働きたいかという希望を勤務先に伝えることができます。そのため、自分の都合に合わせた働き方が可能です。
さらに、フリーターでいることで、空いた時間を使ってパラレルキャリアを構築することも期待できます。仕事のスタイルが多様化してきた現在、メインの仕事以外に別の仕事や活動をし、自己実現・やりがいを感じることで心豊かに過ごしたり、その経験をメインの仕事に活かしたりするパラレルキャリアが注目されているのです。メインの仕事とサブの仕事・活動の両方を経験する時間のゆとりを持てるのは、フリーターだからこそです。そして、パラレルキャリアとして始めた仕事や活動がいずれはメインの仕事になることもあり得ますので、将来の可能性も広がります。
また、フリーターとして働いていると、正規雇用で働くよりも職場を退職しやすいという面もあります。正規雇用だと責任感やしがらみが出てくる場合があり、自分の意思だけではなかなか退職しづらいときもあるでしょう。しかし、フリーターだと正規雇用よりも任される仕事の範囲や上司・同僚とのつながりが薄いケースも少なくないため、「職場を変えたい」と思えば、実行しやすいことが多いのです。
フリーターのデメリットはしっかりと把握しておこう
フリーターは自由な働き方ができる点は魅力ですが、その分人生においては自己責任が大きいと言えます。フリーターはアルバイトやパートなどの雇用形態で雇われているため、一定以上の日数・時間数で働かなければ、雇用保険や健康保険に加入できない場合が多いのです。雇用保険や健康保険に加入していないと、退職した際に失業給付をもらうことはできませんし、健康保険に入っていないことで、もし病気などで休職せざるを得ない場合に陥っても、手当が受けられないケースも存在します。人生は長いですから、若いうちはまだ大丈夫でも、年を重ねるごとにこのようなリスクは高まって行くことを覚えておきましょう。ただ、一定以上の日数や時間数の勤務で働けば雇用保険や健康保険に加入できる場合もありますから、その点に気を付けておくことが重要です。
また、フリーターとして長年働いていると、いざ他の企業に再就職をしようと感じ始めても、なかなか難しいこともあります。フリーターは責任のある仕事や高い技術が必要な仕事を任されないケースが多いため、職歴は長くても一定以上のスキルが身についていないこともめずらしくないのです。年齢を重ねてからの再就職は、どのようなスキルを持っているかが重視されます。このような点で難易度が上がるリスクが懸念されます。
フリーターに似た働き方も存在する
フリーターという働き方に魅力を感じる場合や再就職がなかなか難しい場合は、フリーターに似た働き方を選ぶこともできます。中には、雇用保険や健康保険に加入でき、経済的に安定する仕事もあるので、自分の将来のライフプランを考えながら、決定すれば良いでしょう。
フレックス制を導入している企業で働く
フレックス制とは企業が事前に定めた時間を満たせば、始業時間や終業時間、1日の労働時間を労働者自身が選ぶことのできる働き方です。例えば、役所での手続きがあるときは始業時間を遅めに出勤したり、週末は旅行に行くため終業時間を早めに切り上げたりといったことも可能です。しかし、フレックス制にも種類があり、必ず出勤する時間帯が定められている場合と、すべての時間帯を柔軟に労働者に任せている場合があります。
在宅勤務正社員として働く
最近では新型コロナウイルスの影響もあり、通勤する働き方以外にも在宅で仕事をする働き方(リモートワーク)が認知されてきました。それをきっかけにコロナが収束した後でも、在宅勤務を続けることが可能な企業も増えてきています。在宅勤務といえども、始業時間や終業時間、勤務時間は決まっている場合が多いですが、自宅と言う安心した環境で仕事ができるので、精神的にも楽に仕事を進めることができるでしょう。
上記にご紹介した働き方は、自由度が高い点がメリットですが、企業によってはそれなりのスキルが求められるケースもあります。そのためには、フリーターとして働く傍ら、再就職に強い資格取得を目指したり、アルバイトやパートでも構わないので、再就職したい企業と同じ職種で経験を積んだりなどの努力も求められます。
まとめ
個人の生き方や働き方は千差万別ですが、一生フリーターのままでいると経済的や待遇に困る場合もあります。フリーターが悪いというわけではありませんが、人生100年時代に備えて、少しでも負担にならない働き方をしていきたいものですね。
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