2023.01.13
退職について
退職の申し出は2週間前で大丈夫?正しい退職手続きのタイミング
退職する際には、必ず必要になる退職届(願)。退職届をすぐに提出して辞めたいところではありますが、どのタイミングで申し出たらいいのか分からないという人も多いでしょう。引継ぎもあるのでタイミングが悪いと、会社との関係性が悪くなってしまい、円満退職出来なくなってしまう可能性もあります。今回は、退職の申し出はいつまでならいいのかについて、解説します。
退職の申し出は2週間前にすれば大丈夫?
よく、退職の申し出は2週間前までに告知をすれば可能と聞きますよね。しかし、実際のところはどうなのでしょうか?結論から言うと、退職の申し出は2週間前までに行えば問題ありません。
民法第627条1項によると、「当事者が雇用の期間を定めなかった時は、各当事者はいつでも解約の申し入れをする事が出来る。この場合において、雇用は申し入れの日から2週間を経過する事によって終了する。」と定められています。しかし、法律上は申し出を行ってから2週間で辞める事が出来ますが、実際に2週間で退職するという事例はめずらしいと言えます。なぜなら、退職をする際には、後任の人に引継ぎをする必要があり、引継ぎにかかる期間も考慮すると、辞めるまでには1ヶ月程度の時間が必要な場合が多いからです。
民法と会社規程のどちらを優先すべき?
では、会社の就業規則と民法では、どちらの方が優先されるのでしょうか?こちらも結論から言うと、会社の就業規則と民法では会社の就業規則よりも民法の方が優先されます。民法による規定は、会社の就業規則よりも効力が強いのです。例えば、会社の就業規則に「退職希望者は、30日前までに退職届(願)を提出する事」と書かれていたとしても、法律上では2週間前の申告で退職する事は可能です。
そもそも就業規則とは、会社が独自に決めた働き方のルールであって、当然効力は法律の方が上になります。しかし、法律上では可能だとしても、突然戦力となっていた社員が退職するとなると、会社側にとっては緊急事態ですよね。円満退職を希望しているのであれば、例え民法上では2週間前までの申し出でOKだとしても、ある程度日にちに余裕をもって退職日を決める事が大切です。その際は、引継ぎなどもしっかり行い、トラブルなく退職するのが原則となります。
確実に2週間で退職するためのコツ
ところで、確実に2週間で円満に退職するコツはあるのでしょうか?2週間でいくら退職したくても、手続きなどで不備やトラブルがあると、それだけで退職までに日数がかかってしまいます。そうした事を避けるためには、以下のポイントを押さえておくことが重要になります。
退職届の出し方
この時に重要なのが「退職願」ではなく「退職届」と記載する事です。「退職願」ですと、これから退職交渉を行う場合は良いのですが、もうすでに退職する意思が固まっていて、曲げるつもりがなく、退職を確定させたいという場合は「退職届」で提出するようにしましょう。ちなみに、法律上では口頭と書面では、書面で伝えた方が確実に退職する意思が伝わるので、トラブルを防ぐという意味でも、退職の意思は書面で伝える方が効果的です。
内容証明郵便を利用する
内容証明郵便で「2週間後に退職する」と通知することもポイントとなります。これは、直接退職届を渡そうとしても、上司が受け取ってくれないという場合に有効な方法です。内容証明郵便は、公的な証拠となるので、受け取り拒否をされても退職届を提出したという事実は認められます。
退職届を提出する際の注意点
退職届を提出する際に注意すべきことは、先ほどもお伝えしましたが、退職の意思を口頭ではなく書面で伝えるようにしてください。退職の意思表示は口頭でも法的な効力を有するのですが、後々のトラブルになるリスクを避けるという意味でも、書面として提出する事をおすすめします。
また、退職までの2週間は休日もカウントするという点です。間違えやすいものとして、実際に働いている日にちしかカウントされないと思ってしまい、退職日の設定を14営業日先の日付にする人がいます。しかし、退職前の2週間というのは、土日・祝日もカウントされるので、計算を間違えないように注意しましょう。さらに、退職を伝える際には「退職願」ではなく、「退職届」を提出することが重要です。「退職願」とは退職を願い出るもので、正確には退職の意思表示をしたことにはなりません。そのため、退職願に対して雇用主が承諾した後に、「退職届」を提出する必要が出てきます。これでは、余計に時間や手間がかかってしまうので、退職の意思が固い場合は必ず「退職届」で提出するようにしてくださいね。
その他にも、退職の意思を示した際に有給休暇の消化もする場合は、合わせて報告するようにしましょう。2週間前に退職の申し出をしていたとしても、有給休暇の消化の申告をせずに会社を休むと、欠勤扱いになってしまいます。有給休暇の消化は労働者に与えられた権利であり、退職の意思に関わらず認められる制度ですので、しっかりと伝えるようにしてください。しかし、退職までに引継ぎが必要な場合は、その責任を全うしてから退職する必要があります。そのため、引継ぎにかかる日数も考慮して、有給休暇の消化を相談することが大切です。
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