2023.06.09
退職について
退職のタイミングに迷う…いつが一番いいの?
「職場でのストレスに我慢できない」「環境を変えてもっと自分らしく働きたい」コロナ禍の現在、特にこのような思いを抱え、転職を検討している人はとても多いと言われています。ただ、いつか辞めたいと思っていても、なかなか退職を切り出せず、ずるずると働き続けてしまうパターンもあるようです。今回は、退職するときのベストタイミングについて一緒に考えていきましょう。これから、退職や転職を検討されている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
自己都合退職の場合は、いつ退職するのがいいの?
そもそも、退職したいと思って、すぐに会社を辞めることは可能なのでしょうか?民法第627条では、「退職する自由」が記載されており、その中には、正社員等は、2週間前に会社側に申し出ることで退職ができると示されています。つまり、法的には2週間前までに伝えていればOKということになります。ただ、企業ごとの就業規則においては、これが1ヶ月前に設定されていることも多くあります。その場合は、企業のルールに従う方がベターです。退職について考え始めた際には、まず、きちんと就業規則を確認してみましょう。
その後、誰に、いつまでに報告すればいいかということが分かったら、自分の中で退職時期を設定することをおすすめします。なお、退職をしたいと思ってから、それを伝えることを半年以上先のばしにしてしまうことは避けましょう。なぜなら、「半年耐えることができた、だから次のボーナスまでは待とう」などと、ずるずるといつまでも続けることになってしまう人がとても多いからです。
社会情勢が不安定な今、さまざまな事柄を踏まえた上で、退職をしたいと強く思ったのであれば、タイミングは逃さないようにしましょう。また、あなた以外に退職希望の人がいる場合は、早めに伝えておかないと、なかなか辞められないということにもつながりかねません。「辞めます」という言葉は言いづらいものですが、辞めたいと思っていながら先延ばしにしてもメリットはほとんどありません。計画的に退職までの準備を進めていきましょう。
自己都合退職でも失業給付金はもらえる?
退職し、転職先が決まっていない場合に、頼りになるのが「失業給付金」です。自己都合退職でも、以下の2つの条件を満たせば、受け取ることが可能です。条件の1つ目は、離職日から遡って2年の間に最低12ヶ月以上働いた期間があること。そして2つ目は、ハローワークにて求職の申し込みをし、再就職の意思があるのに就職できていない状況にあることです。ただ、失業給付金は、どんなに早くても、退職してから3ヶ月と7日後からの支給になります。会社都合退職と比較すると額は少なく、給付期間も短いことが特徴です。
なお、令和2年10月1日以降の自己都合退職については、5年間のうちに2回まで、失業給付金をもらえる時期を1ヶ月早めることができることになりました。コロナ禍によって労働に関する法律が変わりつつあります。そのため、自分の人生設計を立てながら、きちんと情報収集をすることが大切です。
また、退職時に自己都合退職として扱われていても、のちにハローワークで会社都合退職だと認められるケースもあります。例えば、退職理由が残業時間が長すぎたことや給料の減額、セクハラ、パワハラなどがそれに該当します。このような場合は、きちんと証拠を残しておくことが有効です。
退職前に準備をすること
以下に、計画的に退職を進めるためにどんな準備が必要かどうかについて、触れていきます。
- 業務を引き継ぎできるように準備をしておく
例えば、退職を告げる2ヶ月前から、自分の担当している仕事を徐々に棚卸しして後輩社員に伝えて行ったり、PCのデータをわかりやすくまとめておくなど、引き継ぎを少しずつしてみましょう。ただ、「退職したいから必死になっているのでは?」などと思われないよう、怪しまれない程度にできることから進めていくことをおすすめします。
- 有給休暇の取得をしておく
基本的には、退職までの期間で有給休暇を消化することが可能ですが、繁忙期前に退職することになった場合などには、有給休暇が認められず、消化せずに退職することになってしまう危険性があります。退職を意識し始めた時期から、有給休暇を取得するように計画を立てることをおすすめします。転職を検討しているなら、転職活動のために有給休暇を利用しても良いでしょう。
- 退職願・届を用意しておく
自分の退職の意思を伝えるために、退職願・届の用意をしておきましょう。なお、これは会社が定める所定のフォーマットに沿って記載をしないといけない場合もありますので、事前に確認しておくことが大切です。退職理由は、転職などと記載する必要はなく、「一身上の都合により」と書くのみで構いません。
身体の不調が原因の場合の自己都合退職について
もし、退職の検討理由が、体調不良である場合は、うまく国の制度を利用すること、そしてなるべく無理をしないことを意識していきましょう。「傷病手当金」の存在をご存じでしょうか?傷病手当金とは、病気などにより仕事を休んだ場合にいくつかの要件を満たすと、得ることのできる手当てです。うつ病などにも適用されるため、こういった制度を使用して休職している方もいます。
しかし、意外と知られていないのは、退職後にも、一定の要件をクリアすれば、支給開始から1年6か月を限度に、手当金が支給されるということです。ここでの条件とは、健康保険の被保険者の資格を喪失した日の前日まで、1年以上被保険者であったこと、資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けていた場合です。
企業の人事担当であっても、このような知識を持っていない場合も多くあります。体調不良で仕事を休んだり、退職を余儀なくされたときに自分の身を助けてくれる法律や制度について、時間のあるときにしっかりと学んでおくようにしましょう。そして、体や心を本格的に壊してしまう前に、一度自分自身と向き合うようにしてください。退職することで周囲に迷惑がかかる、と思うのではなく、これからの自分のために何ができるのかということを優先して考えていきましょう。
まとめ
退職の時期は、人生計画をしっかりと立てた上で、慎重に行うことが望ましいと言えます。現在は、不安定な情勢であることもしっかりと頭に入れた上で、本当に今が退職に相応しい時期なのかということは、きちんと考えておきましょう。しかし、体調が悪かったり、精神的に参っていたりするのに、無理をする必要はありません。そういう場合は、少しタイミングが悪くても自分を守るためにできることを進めて行くことが大切です。
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