2019.11.08
転職・再就職について
第二新卒が上手に転職するには
最近、若手人材は『売り手市場』だと言われ、いわゆる“第二新卒”も引く手あまただと言われています。第二新卒に該当する人たちも、入社1年未満で転職を検討している人はほぼ半数に及ぶ、という調査結果(FNN Primeなんでも統計局 2019年8月掲載記事があります。
今回は、実際に“第二新卒”とはどのような人たちを指すのか、また、第二新卒が上手に転職するにはどうすればいいのかを解説します。
第二新卒の「定義」を知っていますか?
実は第二新卒の明確な定義は定められていません。
一般的には、<新卒で入社した企業を3年以内に退職し、転職活動している人>が該当する、と言われています。
ですから、高校を卒業・入社し1年半ほど働いた20歳前後の人や、大学院修士課程を終え就職3年目のもう少しでアラサー手前な人も「第二新卒」というカテゴリに含まれることになります。たとえ就職して4年経っていても、数ヶ月しか経っていなくても「一度でも就職したのち転職活動をしている20代」であれば第二新卒に当てはまります。
つまり、第二新卒というのは、職歴(職務経歴)に由来する分類だといってよいと思われます。
なぜ、転職市場に「第二新卒」というカテゴリがあるのか?
これは「社会人経験が3年未満の人材」を採用する企業側にとっていくつかメリットがあるからです。
- 新卒とほぼ同等の年齢であること
- これから自社のルールなどに沿って育成できるだけの柔軟性を持つ人材であること
- 社会人としてビジネスマナーを身につけていること
より長い社会人年数を経た、いわゆる「中途転職」と何が異なるのでしょうか。
これは転職者を受け入れる企業側の都合というかメリットとして一般的に考えられているのですが、5年以上の社会人経験があると、在籍した企業のやり方や自分のやり方などに固執してしまう方も出てきます。新たなやり方を受け入れるのが難しくなる可能性もあるため、その前段階の第二新卒の柔軟性が重宝される可能性が高いのです。
ただし、第二新卒といっても、前職入社から1年未満の転職の場合、「短期離職」に当たります。企業によっては、このような人材はせっかく採用してもすぐに退職するのでは……と考える場合もあり選考に影響する可能性もあるので、その点は留意しておく必要があると思います。
第二新卒に最適な転職活動の時期は?
自分のキャリアプランの中で、現職では自分の将来性の展望が描けない、と思ったら、そのタイミングが転職活動のスタートラインだと言えます。
つまり、第二新卒は中途採用扱いになりますので、多くの企業では退職等による欠員補充や体制強化などでの人材募集となり、特定の時期に募集が偏ることはないと言えます。自分の希望する職種や企業が求人を出すと思われる転職情報サイトや転職エージェントに登録し、履歴書や職務経歴書を作成しておきましょう。
一般に転職活動は応募してから入社するまで数ヶ月程度かかります。もし、4月入社をめざすのであれば、半年前くらいから情報収集をはじめ、転職活動を始めるくらいのスケジュールを考えるといいと思います。この企業情報の収集はたいへん大事になってきます。
いざ転職先に入社したものの、とんでもないブラック企業だった、あるいはまったく希望の職種に配属される気配がない、というのであれば、せっかく転職したのに……ともなりかねません。
また、退職代行サービスを利用し、先に退職してから改めて転職活動という方法をとる人もいると思います。この際、離職期間のブランクを長くしない方がいいと思います。ブランクが長期に渡ると、病気や語学留学など明確な理由がある場合はともかく、求人面接等で理由をはっきり答えられないような過ごし方をしていると、採用時の判定でマイナスになる可能性が高くなってきます。できるだけブランクが短くなるようにするのが、短期間で求職活動を終えるポイントです。
第二新卒は転職活動では何をアピールすればいい?
それでは第二新卒の転職活動では、どのようなことをアピールすればいいのでしょうか。
企業はどのような能力や経験を持った人を欲しているのでしょうか?
企業は第二新卒に以下のようなスタンスで欲しています。
①ポイント1……新卒採用と同様、自社の社風やポリシーにマッチするか
②ポイント2……自社への転職によってどのように成長したいのか、また前職ではなぜそれが満たせなかったのか
①については、新卒採用のみならず中途採用に際し、企業が応募者に対するスタンスと変わりはありません。応募者の「新卒入社時に行ってきたことと、今後、自社に入社して仕事上で実現したいことがマッチしているか」「社風にあった人材であるかどうか」が見られることになります。
これらについて、応募の際に十分な業界・企業研究を行い、自分の持つスキルやプランなどと他人を納得させるだけの整合性やフィット感を持たせて臨むことが重要です。
②については、応募者への評価として、「今後、自社の中で成長するポテンシャルがあるのかどうか」、「前職を辞めた(辞める)理由は何か」、「これから自社の社風に馴染む気持ちがあるのかどうか」などが見られることになります。
これらについては、志望動機や転職理由などを伝える際に十分に応募先企業にアピールできることが望ましいでしょう。特に、一社目の退職理由については、どんな理由であれ前向きなものとして応募先企業に伝えることで、選考に際してポジティブなイメージを持ってもらうことが重要です。
まとめ
冒頭で書いたように現在は求人市場での若年層は圧倒的に売り手市場だと言われています。ミドル以上の年齢層が前職でのやり方にとらわれがちな中で、第二新卒の若手人材は前職のカラーに染まりきっていないが故に自社の社風に馴染みやすく、能力的にも大きな伸びしろのある戦力として期待されているからです。
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