2021.01.29
転職・再就職について
年俸制と月給制…何が違うの?
転職の決め手が、「給与制度の充実さ」という方はたくさんいることでしょう。ただ、転職サイトを見てみると、企業によって給与の支払われ方が様々だということが分かります。その中でも今回は、年俸制と月給制の違いについてまとめていきます。それぞれの仕組みを採用している会社の特徴を知ることで、転職の際に役立ててくださいね。
年俸制とはどういう給料体制?
年俸制とは、1年ごとに給与の総額が変動していくという給与の決定方法です。ただ、年俸制とはいえ、1年が経過するまで給与が支払われないということは決してありません。給与の総額を12分割した額が、それぞれの月ごとに支払われるということです。
労働基準法の第24条でも「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と定められていますので、安心してくださいね。つまり、年俸制といっても、賃金の決め方の単位が年単位であるだけで、月給制と大きな差はありません。
また、気になる残業についてですが、年俸制では、「みなし残業」として、残業代が年俸額に含まれている場合があります。その場合は、残業代として別途支給されないこともあるのです。ただ、もちろん「みなし」の分を超えた分の給与は請求する権利があります。後からトラブルにならないように、きちんと事前に確認をしておきたいところです。これは、賞与に関しても同様です。「年俸制・賞与あり」という記載であっても、賞与も含めて年俸額が決まっているのかどうか、それとも別途支給されるのかということは、明らかではありません。
残業代や賞与など、お金に関することはなかなか聞きづらいかもしれませんが、人事担当に話をするなどして、不安な要素は減らしていくことが大切です。
年俸制と月給制の違いについて
月給制は、社員の勤続年数などに応じて給与を決定する、年功序列の考え方の企業で採用されることが多いです。文字通り、月ごとに給与が決定されます。日本のほとんどの企業では、こちらが採用されています。それに比べ、年俸制は、成果が給与に反映される、成果主義の考え方の企業で採用されていることが多いです。上記で述べたように、1年ごとに給与額が決定され、それを分割した額が支払われます。厚生労働省が公表している調査では、年俸制を採用している企業は全体の約9.5%となっています。その中でも、年俸制を採用している企業は、外資系の企業がほとんどです。
海外では、日本のような終身雇用制度が浸透していないため、成果に応じて給与額がすることが多いとされています。そのため、日系企業でも、役員や管理職などに年俸制が採用されることもあります。また、プロスポーツ選手などの専門的な職種も、年俸制の場合が一般的です。
年俸制のメリットって?どんな人に向いている?
次に、年俸制のメリットとデメリットについて、ご紹介します。転職を考える際には、自分に合う企業を確実に見つけられるよう、転職サイトをしっかりと読み込むことが大切です。
また、転職サイトには書ききれないこともたくさんあるため、企業のホームページや、口コミサイトを確認することにより、たくさんの情報を集めることができます。その際には、給与制度のメリットだけではなく、デメリットにもきちんと目を向けるようにしてください。疑いの目を持つことや、確認をするようにすることは、入社後のギャップをなくすために大変有効です。
年俸制のメリット
年俸制では、1年間は給与が安定していることがメリットといえます。1年分の総額がいくらになるのかということが、事前に知らされているためです。1年の途中で給与を減らすのは契約違反になるため、確実にその額の給与を手にすることができます。年間の給与額が既に決定しているということにより、1年間でどれくらいの収入を得ることができるのか、といった見通しを立てることができます。
また、成果主義を採用している場合には、個人の頑張り度が反映されるため、年齢に関係なく昇給できる可能性もあります。様々な企業で経験やキャリアを積んできた転職者にとっては、大きなメリットになり得るでしょう。
年俸制のデメリット
年俸額が1年ごとに変化するため、今年は年収が上がったとしても、来年も同じような額がもらえるかどうかという保証がないのがデメリットです。将来を通しての大きな見通しは立ちにくいことが、予想されます。
また、会社の経営不振や能力が認められなかったなど、様々な理由により、年俸額が大幅に減額になってしまうというリスクもあります。ただ、こういったリスクがあっても、「自分の力を正当に評価されたい」と思う方や、「成果を上げて高い給与を稼ぎたい」と思っている方には、向いていると言えるでしょう。失敗を恐れずに挑戦し続けることができるバイタリティのある方は、デメリットでさえもメリットに変えていくことができるかもしれません。
年俸制でのトラブルを防ぐために
上記でも述べたとおり、年俸制と月給制には、そこまで大きな違いはありません。給与の支払われ方も、実はほとんど同じです。しかし、定められていた残業時間を超えて残業したのにもかかわらず、残業代が追加で支払われないといったトラブルも起きてしまっているようです。この理由は、多くの方が「年俸制は成果主義だから、成果を出せない人はお金がもらえない」というようなイメージを持っているためだと考えられます。そういった思い込みを利用して、残業代の未払い等の問題が起きてしまっているのです。
契約後に、こういったトラブルが起きてしまうことを防ぐために、事前に人事担当者に問い合わせをするようにしましょう。また、たとえ年俸制であっても、提示された金額が納得のいかないものであった場合は、企業側と交渉を行うことが可能です。企業側と従業員側がお互いに歩み寄り、思いを伝えることで、双方にとってより良い給与体系が形成されていくのです。
まずは担当者から話を聞くことから始め、それでも納得できない場合は、弁護士等の専門機関に問い合わせることも視野に入れておきましょう。
まとめ
今後、年俸制を採用している企業への転職を検討する際は、転職サイトに書いてある情報を拡大解釈せず、事前にきちんと確認をすることが大切です。年俸制には、成果が認められて給与がアップするというメリットもありますが、その分、減額のリスクもあります。メリットだけではなく、デメリットも考慮した上で検討していきましょう。
おすすめの関連記事
- CATEGORY
- 給付金について
- 転職・再就職について
- 就労について
- 新型コロナウイルスについて
- 社会保険について
- 退職代行について
- 税金について
- 精神疾患について
- サービスについて
- 退職について
- 障害年金について
- ピックアップ
- 人気記事
-
退職代行サービスの利用方法、実際の流れと体験談を紹介
-
今の会社に3年後もいる自信はありますか?
-
退職代行を利用した時の有給消化の仕組みとその対応方法
-
退職代行サービスを使うメリット・デメリットは?
-
ブラック企業を判定する方法と実際のチェックポイント
-
障害年金を知ろう
-
会社を“円満に退職する”方法は?
-
退職時の引き継ぎは必須?スムーズな業務引き継ぎのポイント
-
パワハラ、モラハラ、セクハラとは?
-
辞めさせてくれない!そんな時こそ「退職代行サービス」
テーマ
- クレジットカード
- 資格取得
- 退職願
- 職業訓練受講手当
- 自己PR
- 社会保険給付金
- 退職代行
- アルバイト
- 精神疾患
- 退職届
- インフルエンザ
- 確定申告
- 職業訓練受講給付金
- 退職代行サービス
- 雇用保険
- うつ病
- 面接
- 感染症
- 保険料
- 退職給付金
- ブラック企業
- 健康保険
- 統合失調症
- 障害手当金
- 引っ越し
- 社会保障
- ハローワーク
- ハラスメント
- 年金
- 契約社員
- 自己都合
- 社宅
- 就職
- 就業手当
- パワハラ
- 転職活動
- 弁護士
- 会社都合
- 障害者手帳
- 労働基準法
- 傷病手当
- モラハラ
- 転職サイト
- 公的貸付制度
- 失業給付
- 精神保険福祉手帳
- 雇用契約
- 退職コンシェルジュ
- セクハラ
- 職務経歴書
- 生活福祉資金貸付制度
- 新型コロナウイルス
- 労災
- 内定
- 社会保険給付金サポート
- 障害年金
- 人間関係
- 通勤定期券
- 有給消化
- 産休
- 就労移行支援
- 雇用保険サポート
- 引き継ぎ
- スタートアップ
- 不支給
- 休職
- 育児休暇
- 業務委託
- 給与
- 転職
- 等級
- 免除申請
- 解雇
- 社会保険
- 残業代
- 違法派遣
- 離職票
- 適応障害
- 大企業
- 福利厚生
- 退職金
- 派遣契約
- 労務不能
- 住宅確保給付
- 中小企業
- 失業手当
- 会社都合退職
- 障害厚生年金
- 傷病手当金
- 給付金
- ベンチャー企業
- 就職困難者
- 自己都合退職
- 失業保険
- 年末調整
- 職業訓練
- 会社倒産
- 再就職手当
- 退職
- ブランク期間
- 障害者控除
- 再就職
- 退職勧奨
- 転職エージェント