2021.01.08

転職・再就職について

退職日を転職先に伝えるタイミングと調整方法のポイント

コロナ渦を機に、転職を考えている方も多いのではないでしょうか?ただ、コロナによる急な人手不足などにより、「急だけど明日から来て欲しい」と言われてしまう場合もあるでしょう。果たして、こういった場合はどのように対処していけばいいのでしょうか。

今回は、退職日や入社日がうまく調整できない場合の対処法や、そうならないための予防策について、お伝えします。

退職日と入社日が重なる際の問題点

入社日と退職日っていつのこと?

法律によると、入社日とは、「雇用契約」が始まる日のことを指します。これは、必ずしも出社の初日ではありません。例えば、6月1日金曜日が入社日であり、土日を挟んで6月4日から出勤するような場合には、6月4日は出社初日であるだけで、雇用契約の開始日ではありません。

一方、退職日は雇用契約が終了する日のことを指します。つまり、最終出勤日ではないということですね。正社員の場合は、雇用契約書等で定めがない場合は、退職の了承を得た日にちが該当します。また、退職したいと会社に伝えた日の14日後とされている場合もあります。

二重就労は絶対に禁止?

二重就労とは、他の職場で就労すること等を指します。副業なども、これにあたります。企業が定める「就業規則」にて、「二重就労の禁止規定」が盛り込まれている場合がありますが、二重就労の許可をきちんと申請せずに転職先で働き始めた場合は、この禁止規定に値するケースがあります。その場合は、退職金の減額や、懲戒解雇などの処分を受けることになってしまうかもしれないのです。

ただし、処分の内容によっては、労働基準法に照らし合わせて考えることにより、異議申し立てを行うこともできます。こういった場合は、専門家に相談することをおすすめします。

有給中に転職先で働くと問題?

「二重就労の禁止」などの副業禁止規定がなければ、有給取得中に転職先企業で働いても問題はありません。そのため、ひとまずは現職で有給を取りながら転職先で働くことができるでしょう。ただ、二重労働が禁止されている文言がないだけで、実際には事前に申し立てしておく必要がある場合もあります。転職先から、「明日から来て欲しい」などと言われてしまった場合は、現職の企業に残りの有給を買い取ってもらう方法や、二重就労の許可を取る方法も考えられます。

しかし、こういった状況になってしまっても、嘘をついて乗り切るということは避けたいところです。法律に触れる可能性があり、転職先にも影響する場合があります。無理にどうにかするよりも、転職先に入社日をずらせないか交渉する方が良いかもしれませんね。

退職日と入社日が重ならないようにするために

退職日と入社日の決め方

今まで述べてきたような状況にならないためにも、入社日はきちんと調整するようにしましょう。一番のおすすめは、自分の有給を使い終わる日を「退職日」にすることです。そして、その次の日を「入社日」にできるとベストになります。なぜなら、入社日と退職日に間が空くと、厚生年金と健康保険についての手続きも煩雑になるからです。

期間が空いたのが1ヶ月であったとしても、市役所で手続きをし、税金や年金を自分で納めなければいけなくなります。有給をとる時のルールなどが社内で決められている場合もあるので、計画的に進めましょう。

入社日の希望を伝える方法

退職日の目安が決まったら、転職先の人事へ伝えましょう。その上で、双方に問題がない入社日を決めることが大切です。「最短で入社が可能な日」を伝えることで、転職先に譲歩しつつ、自分の希望も叶えることができます。転職に伴う引越しなどで入社日を考慮してもらいたい時は、その理由を伝えた上で、交渉可能かどうかを伺ってみましょう。

転職先の出した条件が絶対だと思ってしまうと、転職後もその企業で苦しむことになる可能性があります。まず、転職は本人だけの問題ではなく、現在の勤め先や転職先の業務にも大きな影響を及ぼします。常にそういった責任感を忘れずに、行動するようにしましょう。あなたが入社までのスケジュールを決め、逆算しながらきちんと然るべき処理を行っていけば、退職日と入社日が重なるなんてことは、まずありません。

退職日の交渉でこじれないために

退職を伝える時期

退職したい意向を上司に伝える時、「退職を検討しておりまして」などと、相談ベースで伝えてしまうと、ほぼ間違いなく退職することはできないでしょう。事情が、結婚や出産などであれば話は別ですが、そうではない場合は、あなたを引き止めるための作戦を考えられる可能性もあります。

退職すると決めたら、就業規則上、問題がない日にちを設定し、「〇月〇日付けで退職します」と伝えればいいのです。法律では、2週間前までに退職の意向を伝えなければいけないと定められているものの、多くの企業では「遅くても1ヶ月前」というのが暗黙のルールとなっています。こちらから希望を伝える以上、これは守るようにしたいですね。

退職の伝え方のポイント

日本人は、はっきりと物事を伝えるのが苦手だと言われています。それは、優しさや思いやりに繋がる素敵なことでもありますが、自分の一度きりの人生において、けじめをつける時は、はっきりと断言することが必要な場合もあります。退職の理由を、あれこれと並べる必要はありません。労働者の権利を行使しているだけです。仮に転職先が決まっていたとしても、それを伝えてもっと関係がこじれる可能性があるならば、「現在は転職活動中である」ということだけ伝えればいいでしょう。

また大切なことは、業務の引継ぎに関しても言及することです。そうしないと、「抱えている仕事はどうするのか」といった質問責めにあい、結局退職できなかったということもあり得るからです。ポイントは、簡潔に、報告スタイルで伝えることが重要だと言えます。

まとめ

せっかく転職をするとなったのならば、できる限り円満に退社し、新しい生活のスタートを気持ちよく切りたいですよね。退職日や入社日のことで悩み、精神的に追い詰められることのないよう、転職活動は計画的に進めていきましょう。

また、調整したとしてもミスをしてしまったり、思ったように進まなかったりすることはあり得ます。そういった場合は、正直に転職先に相談をするなどして、新たな可能性を模索していくことが大切です。

 

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