2022.07.01
転職・再就職について
源泉徴収票の用途と税務処理における重要性
皆さまは、「源泉徴収票とは何か」と聞かれたら、詳しく説明することができますか?今さら、誰かに聞くこともできず、よく理解しないまま保管しているという方もいることでしょう。今回は、そんな方のために、源泉徴収票についての知識を深掘りしていき、生活のどんな時に使用するのかについて、ご紹介します。
そもそも源泉徴収票とはどういうもの?
源泉徴収票を受け取っているけれど、これは一体何なのだろう?と思っている方も少なからずいらっしゃることでしょう。特に就職したばかりの方にとっては、深く理解するのはなかなか難しいのではないのでしょうか。
源泉徴収票を一言で説明するならば、「1年間に会社から支払われた給与や賞与などの金額と、あなたが納めた所得税の金額が記載されている書類のこと」です。そもそも、所得税を納税する義務は、本来は個人にあります。しかし、個人で納税をすることに対する手間やリスク、トラブルを省くために、企業が給与から所得税の額を引いて、それを納税するという仕組みがとられているのです。この、給与から所得税を差し引くことが「源泉徴収」というわけです。
ただ、このときの所得税の額は、その年度の途中に転職をしたり、家族が増えたり、扶養から外れたりなどといった変化にはもちろん対応していません。そのため、年末調整で差し引かれた所得税と、実際に納税した額に差がある状態が発生します。そのため、それらを調整する作業が必要になるのです。
従業員が源泉徴収票を受け取ることができる時期は、12月から1月にかけて行われる、こういった「年末調整」が完了した後になります。
源泉徴収票に何が書いてあるの?
源泉徴収票に書いてある内容は、主に以下のとおりです。
1.支払金額
「支払金額」とは、給与や賞与(ボーナス)、各種手当や残業代を含めた総支給額のことをいいます。ちなみに、通勤手当などの非課税の手当は含まれません。「支払金額」自体があなたの「年収」の額になります。なお、この欄の「内」に金額が書かれているときは、未払い分があるということで、それに見合う所得税も未払いという意味です。
2.給与所得控除後の金額
支払金額から、給与所得控除額を差し引いたもののことです。配偶者がいる場合の配偶者控除、控除対象の扶養親族がいる場合の扶養控除、また、1年間に支払った社会保険料や生命保険料の控除額の合計も、これにあたります。
3.源泉徴収税額
納める所得税の額のことをいい、給与所得控除後の金額から、所得控除の額の合計額を差し引いた「課税所得金額」に、「所得税率」をかけることで算出されます。この計算自体は覚える必要はないですが、自分はこのくらい税金を納めているのだという実感を持つために、確認するようにしましょう。
源泉徴収票は何に使うの?
1.転職するとき
年の途中で転職する時には、前職を退職する際に受け取る源泉徴収票を提出することが求められます。なぜなら、前職の源泉徴収と転職先の源泉徴収を合算して、年末調整を行うために必要だからです。
会社を自己都合で退職した場合や会社都合により失業した場合は、その年の1月1日から退職の失業月までの源泉徴収票が会社から発行されます。これは、退職後1ヶ月以内に受け取ることができるので、忘れずにチェックするようにしてください。転職活動をしている方は、こういったことをきちんと覚えておくようにしましょう。
また、退職後にすぐ社員にならず、パートタイマーやアルバイトなどで仕事をするような場合もあるかと思います。しかし、短期間であっても源泉徴収票は発行されるため、受け取ることを忘れないようにしてください。日雇いのアルバイトなどは、そもそも発行されなかったり、自己申告でのみ発行されたりすることもあるので、曖昧にせず、必ず担当者に確認をするようにしましょう。
転職時には、源泉徴収票をスムーズに提出できるように、早めに準備をしておくことをおすすめします。
2.確定申告をするとき
源泉徴収票は、確定申告でも必要になります。1年をまたいで転職を行う場合や年収が2000万円以上の場合、副業での収入が20万円を超える場合などは確定申告を行う必要があります。また、住宅ローンを組んだ年や医療費控除を申請する際、ふるさと納税で一定以上の寄付をした場合にも、確定申告をすることになります。つまり、確定申告を行うことで、一定額の所得控除や住民税の税額控除になるのです。
この際に、源泉徴収票の原本を貼り付けたり、内容のみを転記して使用したりすることになります。ちなみに、ふるさと納税はワンストップ特例制度というものがあり、確定申告をしなくてもいい場合もありますので、確認が必要です。
3.公的年金の裁定請求
公的年金の請求をする際に、配偶者がいるのであれば、配偶者の所得を証明する書類として源泉徴収票を提出することもできます。これは、最新の源泉徴収票である必要はなく、退職後であっても3年以内であれば、前の会社が発行できるということになっています。所得を証明する書類として、課税証明書の代わりにもなるのです。
4.融資、賃貸契約、保育園への入園など
消費者金融などでお金を貸し付ける業者から借金をする際には、年間収入の1/3までの貸付額の上限が決められた規制があります。借入額が50万円を超える場合は、収入証明書として、源泉徴収票が必要になります。これは、銀行への融資の申し込みの際も同様です。また、賃貸契約をする際にも、家賃の支払いの停滞をしないことを証明するために、提出を求められる場合もあります。
その他、小さなお子さんがいる方は、保育園の入園の際にも必要になることがあるので、注意しておきましょう。保育園は、保護者が就労している必要があるという条件があります。そのため、保育園への申込みの際は、保護者全員分の就労証明書や収入証明書として、源泉徴収票の提出が必要になります。知らなかったと慌てずに済むように、準備をしておくことが重要です。
源泉徴収票を紛失したらどうしたらいい?
源泉徴収票は1枚の紙のため、大事にとっておかないといけないとは分かっていても、うっかり紛失してしまうこともあるかもしれません。特に、転職活動が終わり、前の職場を退職した後などは、様々な手続きが終わったことによる安心感から源泉徴収票のことまで頭が回らず、誤って他の書類に紛れて破棄してしまったということもあるでしょう。しかし、このように紛失してしまった際にも、再発行は可能です。まずは焦らずに、会社の総務や経理などの担当に、再発行を希望する旨を伝えてください。
すでに退職していた場合でも、電話やメールなどで再発行の手配をお願いするようにしましょう。もしも会社が倒産してしまった場合に再発行が必要となった場合は、破産管財人への依頼を行います。再発行自体は、基本的にすぐに行うことができると思いますが、締め切りが決められている場合などもあるので、原則的には保管するように気を付けてくださいね。
ただ、最近は、ペーパーレス化が進んでいるため、電子交付が増えつつあります。紙でなくしてしまうリスクが少なくなるので、いずれは紛失して困るようなことが少なくなくなりそうですね。
まとめ
源泉徴収票に関しての知識を持つことで、自分の給与や税金がどのくらいなのかをしっかりと認識できることができるようになります。また、ライフステージに合わせて様々な機会で使用することになりますので、一社会人として、常に内容を確認した上で、きちんと保存するように心がけることが大切です。
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