2024.11.16

給付金について

ハローワークの傷病手当とは?受給条件・期間・金額・申請方法も解説

ハローワークで申請できる傷病手当は、雇用保険の制度のひとつです。求職活動中に、病気やケガにより早期の就職が困難な場合、金銭的なサポートがあることは大きな助けとなるでしょう。

本記事では傷病手当の受給条件・期間・金額・申請方法に加え、間違われやすい健康保険の傷病手当金のとの違いについて解説しています。

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ハローワークの傷病手当とはなにか

離職後、働く意識があるにもかかわらず、病気やケガなどを理由に15日以上基本給付が受けられない期間の生活を援助するための手当です。

傷病手当は、雇用保険の給付金制度のひとつであり、一定期間就職活動ができない場合に該当します。働く意思があり、すぐに就職できる方は、雇用保険による基本手当が支給されます。

傷病手当を受ける条件

傷病手当を受けるためには、基本手当と傷病手当、両方の支給条件を満たす必要があります。それぞれの条件は、以下のとおりです。

≪雇用保険の基本手当を受ける条件≫

  • ハローワークに来所し、求職申込みを行っている
  • 積極的に就職する意思がある
  • 退職日の前の2年間より、雇用保険に加入していた期間が12か月以上ある

 

ただし、離職理由によっては、離職日の前の1年間に雇用保険に加入していた期間が6か月以上あれば基本手当の支給条件に当てはまります。

≪雇用保険の傷病手当を受ける条件≫

  • 基本手当を受給する条件を満たしている
  • 15日以上、あるいは30日以上病気やケガなどにより就職できない
  • 病気やケガの発生時期は、求職申し込みを終えた後である

 

特に注意したいのが、病気やケガの発生タイミングです。ハローワークにて求職申し込みを終えた段階でなければ、条件に当てはまりません。

傷病手当の支給される金額

傷病手当の支給額は、雇用保険の支給額を基準に算出されます。基本手当日額とは、受給可能な1日当たりの金額のことです。

「退職した日の直前の6か月、毎月支払われた賃金÷180×給付率」にて計算します。ここでの賃金には、ボーナスなどは含まれません。

基本の給付率は、約50~80%です。ただし、60~64歳の方は、約45~80%となり、年齢により異なります。また、賃金が低いほど、高い率となる仕組みです。また基本手当日額は、下記表のように年齢ごとの上限額が決められています。

30歳未満

7,065円

30歳以上45歳未満

7,845円

45歳以上60歳未満

8,635円

60歳以上65歳未満

7,420円

上記は、令和6年8月1日時点の金額です。すべての年代において、前回より120〜145円引き上げられています。また、基本手当最低額は、2,295円となり、この金額を下回ることはありません。

傷病手当が支給される期間

傷病手当が支給される期間は、退職した日から1年以内です。最大3年間の受給期間延長も可能なため、病気やケガの完治が長引いても心強いでしょう。ただし、離職理由により支給される期間は異なります。

自己都合により退職をした方の期間

自己都合による退職者の場合、支給期間は以下のとおりです。

  • 1年未満…90日
  • 1年以上10年未満…90日
  • 10年以上20年未満…120日
  • 20年以上…150日

 

自己都合退職者の場合、年齢による区分はありません。他の理由による離職者と比べ、支給期間が最も短く設定されています。

特定受給資格者・特定理由離職者の期間

特定受給資格者とは、解雇、倒産などやむをえない理由により離職をした方を指します。また、労働契約が更新されなかった方は特定理由離職者1となり、特定受給資格者と同じ条件で手当を受け取ることができます。

詳しい支給期間は以下のとおりです。

 

被保険者であった期間

 

1年未満

1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上

20年未満

20年以上

30歳未満

90日

90日

120日

180日

30歳以上

35歳未満

90日

120日

180日

210日

240日

35歳以上

45歳未満

90日

150日

180日

240日

270日

45歳以上

60歳未満

90日

180日

240日

270日

330日

60歳以上

65歳未満

90日

150日

180日

210日

240日

就職困難者の期間

就職困難者とは、障害などの理由を持つ方が失業した場合を意味します。下記は、就職困難者の一例です。

  • 知的障害者
  • 身体障害者
  • 精神障害者
  • 刑法などの規定により保護観察中の方

 

知的障害、身体障害、精神障害に関しては、原則として受給資格決定時点で、療育手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳を所持している必要があります。ただし、てんかんや統合失調症など一部の病気に関しては、医師の診断書により認定されるケースがあります。

就職困難者の支給期間は、下記のとおりです。

 

被保険者であった期間

 

1年未満

1年以上

45歳未満

150日

300日

45歳以上

65歳未満

360日

傷病手当が支給されない期間

傷病手当は、基本手当と同じく、待機期間(7日間)分は受け取れません。また、自己都合退職の場合の給付制限期間(2〜3か月)も、支給されない点に注意が必要です。

傷病手当を申請する方法

傷病手当を申請する際には、「傷病手当支給申請書」を入手します。

ハローワークインターネットサービスからダウンロードする方法と、直接ハローワークに行き入手する方法があります。

記入項目は、以下のとおりです。自分で記入する部分と、医療機関に記入を依頼するべき部分があるため注意しましょう。

  • 申請者…氏名、性別、生年月日
  • 診療担当者…初診年月日、傷病の経過、傷病のため職業に就くことができなかったと認められる期間、医療機関の情報

 

申請書の記入を終えたら、ハローワークへ提出します。郵送、電子申請、代理人による提出から選択可能です。ただし、代理人による申請は委任状が必要となるため、あらかじめ準備をしておきましょう。

健康保険の傷病手当金との違い

ハローワークの「傷病手当」と、健康保険の「傷病手当金」は、名称が似ているため、混乱しやすいとの声が多いです。簡単に制度の違いについて解説します。

 

傷病手当

傷病手当金

制度

雇用保険の給付金

健康保険組合の給付金

病気やケガの発生タイミング

求職活動中

在職中かつ業務外

受給期間

1年(理由により最大3年延長可能)

最長1年6か月

さらに支給条件や支給金額など、異なる点も多いです。また同時に両方を受給することはできません。

まとめ

ハローワークの傷病手当の支給条件は、基本給付の条件を満たしていること、さらに求職活動手続きを終えてからの病気やケガであること、15日以上求職活動ができない状態であることが挙げられます。

傷病手当の支給期間や金額は、離職時の理由により異なるため、注意しましょう。雇用保険加入期間が同じでも、自己都合退職者の場合と特定受給資格者の場合では、期間・金額が異なります。

傷病手当の申請先は、ハローワークであり、必要書類を提出することで完了します。しかし、人によっては「手続き方法がよくわからない」「自分が受け取れるのは、傷病手当金?傷病手当?」とお悩みの方もいることでしょう。

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