2021.10.01
社会保険について
今更聞けない!社会保険とは?
社会人になると会社で仕事をして、給料をもらいながら日々を淡々と過ごしているという方も多いのではないでしょうか?しかし、仕事で収入を得ているからには、病院を受診するときのための健康保険や失業したときのための雇用保険などの社会保険料を支払う必要があります。特に、会社勤めの方は会社側が手続きを引き受けている場合がほとんどなので、あまり真剣に考える機会がないかもしれませんね。
ただ、このような社会保険は病気や退職などの際に役立ちますので、いざというときに困らないためにも、詳細を知っておくことが大切です。ここでは、社会保険の主なしくみについて解説します。
社会保険のしくみについて
社会保険とは、国民が安心して生活(老後も含めて)を営めるように制定された国の公的保障制度です。社会保険は、主に会社員の方が該当し、個人の収入によって保険料が決まり、毎月一定額を支払う決まりとなっています。また、保険料は給料から差し引かれ、負担額は勤務先の会社と折半するという考え方を取ります。
一方、会社員の方以外でも、社会保険制度を利用することができますが、原則的に保険料は全額個人負担となります。また、加入できない保険もありますので、注意が必要です。
主な社会保険の種類とは
社会保険には、さまざまな種類があります。その中でも、よく利用される保険について、以下に説明します。
健康保険
健康保険は、病気やケガなどで病院を受診する際に保険証を提出することで、3割負担のみで医療を受けられる制度です。特に、手術をする場合や長期間の治療が必要になる場合は医療費が莫大な額になりますが、健康保険に加入していることで、自己負担が大きく減るため、大変助かるしくみとなっています。他にも、出産一時金や埋葬費なども保障対象になります。また、基本的に自己負担は3割ですが、年齢によっては2割や1割負担になりますので、この点も覚えておきましょう。
年金保険
年金保険は、老齢年金と遺族年金、障害年金があります。老齢年金には、厚生老齢年金と国民老齢年金の2つがあり、会社に所属する方の場合は、厚生老齢年金と国民老齢年金が受け取れますが、会社に属さない方は国民老齢年金のみの受給となります。両者とも65歳から受け取ることができ、支給額は厚生老齢年金+国民老齢年金なら、収入や保険料支払い期間などを加味して算出したものが、年金額となります。また、国民老齢年金は20歳~60歳までの間に決められた保険料を満額支払っていれば、年間約80万円が支給されます。
一方、障害年金は20歳以上~65歳未満の方で、病気などで障害が残った場合に支給される年金です。年金額は、障害の等級や加入していた年金保険によって違いが生じます。さらに、遺族年金は原則的に配偶者が亡くなった場合に支給されます。支給額は、亡くなった方が納めていた年金保険の支払い額などによって決定します。
失業保険(雇用保険)
失業保険(雇用保険)は、勤めていた会社を退職し、失業状態にある方に支給されます。ただ、加入期間が1年以上なければ受給することはできませんので、頭に入れておきましょう。また、退職理由が自己都合か会社都合かによって、支給額や支給期間などが大きく異なってきます。特に、会社都合の場合はさまざまな面で優遇される点が多いため、詳細を覚えておくことが重要です。
傷病手当金
傷病手当金は、病気やケガなどで働くことができずに、休職した場合に支給されます。しかし、1日や2日程度の休職では適用されず、連続して3日以上仕事を休んだ場合、4日目から手当を受けることが可能になるのです。支給期間は、最大1年半で、金額は原則的に給料の6割程度となっています。ただ、休職していても会社が給料を支払ってくれる場合は、傷病手当金との併給はできません。傷病手当金は給与と重複して受給することができないためです。
社会保険の対象者
社会保険の対象者は、基本的に会社に常時雇用されている人(正社員)です。しかし、正社員以外でも、条件を満たしていればパートやアルバイトでも対象となります。ただ、それには正社員の3/4以上の労働時間と勤務日数が必要です。また、従業員が501人以上の企業で働く方なら、週20時間以上の労働時間があり、1ヶ月あたりの賃金が88,000円以上。雇用期間1年以上、学生ではない労働者(定時制、夜間、通信制の学生は含まれる)であれば、社会保険の加入が可能となります。さらに、従業員が501人以下の企業でも、労使間の合意があれば社会保険の対象者になることができます。
会社員以外の方は民間保険も考慮するのが吉
社会保険の対象者は、多くが会社員の方と定められています。もちろん、会社員以外の方(自営業やフリーランス)でも社会保険の対象になることはできますが、上記で挙げた社会保険の中においては、傷病手当金や老齢厚生年金保険、失業保険の対象からは外れてしまいます。そのため、病気をしたときの保障や老後の生活が不安定になりがちです。もし、現在の働き方が会社員以外である場合や、いずれ会社員以外の働き方をしたいと思っている方は、いざというときのために公的な社会保険だけではなく、民間保険への加入も検討しておく方が良いでしょう。例えば、民間保険には病気などで働けなくなったときの生活を保障する「就業不能保険」や、老後の生活に備える「個人年金保険」などがあります。これらは、年齢や性別などによって支払う保険料が決まりますが、保障してもらいたい金額や受給期間、受給年齢などの内容は自由に設定することができるので、自分のライフスタイルに合わせて考えることが可能です。
まとめ
社会保険は、仕事をするうえで何かしらの問題が起こったり、退職したりしない場合は、そのありがたみが分かりづらいかもしれません。逆に、保険料ばかり支払わなければならないと悩みのタネになっている方もいることでしょう。しかし、社会保険のしくみをよく理解しておけば、より安心感を持って働くことができるのも事実です。時々は、人生の中で起こり得るハプニングを想定しながら、その際の生活におけるシミュレーションをしておくことが大切だと言えます。
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