2020.04.10

給付金について

新型コロナウイルスで会社を休む時に給与補償されるって本当?

世界中で猛威を振るう、新型コロナウイルス。感染してしまった場合は、病院や指定の宿泊施設などで、検査が陰性になるまで過ごさなくてはいけません。つまり、働いている方が感染すれば、強制的に仕事を休む必要が出てきます。すると、給料はどうなるのか心配になりますよね。やむを得ない休みなので、給与を補償して欲しいところです。

ここでは、新型コロナウイルスで会社を休むときの給与補償や新型コロナウイルスの特例の補償について、ご紹介します。

傷病手当金の受給条件・受給金額・受給期間・申請方法

新型コロナウイルスに感染した場合は、都道府県知事が行う就業制限によって会社を休まなくてはいけません。このとき、「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しないので、休業手当は支払われないこととなります。

しかし、要件を満たしていれば、傷病手当金を受け取ることが可能です。そこで、傷病手当金について、以下に詳しくまとめてみました。

1.傷病手当金の受給条件

傷病手当金を受給するには、被用者保険に入っている必要があります。これは会社に雇用されている人が加入する公的保険のことで、健康保険や厚生年金保険などが当てはまります。

傷病手当は、業務外の事由で発生した病気や怪我の療養のために、仕事を連続して4日以上休んだとき、4日目より健康保険から傷病手当金を受け取れるようになります。ちなみに4日目より前の3日間のことを待機期間と呼びますが、これには有給休暇や土日祝も含まれます。つまり、働いていない日でも対象となります。

自分がどんな保険に入っているか知らない方もいると思いますので、分からない場合は会社に問い合わせてみましょう。

2.傷病手当金の受給金額

傷病手当金の支給額は、「療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12ヵ月の平均の標準報酬日額の3分の2」と定められています。少し分かりにくいと思いますので、例を出して解説しましょう。

例えば、支給開始日以前の12ヶ月のうち、標準報酬月額が25万円の月が2ヶ月、30万円の月が10ヶ月あった場合は(25万円×2ヶ月+30万円×10ヶ月)÷12ヶ月÷30日×2分の3で、支給日額は6480円になります。このとき、30日で割ったときに出た値は、1の位を四捨五入します。さらに最終的な値に小数点があれば、小数点第1位を四捨五入します。

3.傷病手当金の受給期間

傷病手当金が支給されるのは、支給開始日から1年6ヶ月です。この期間を超えると仕事に就くことができない状態でも、支給はされなくなります。ただし、新型コロナウイルスの場合は、感染して入院しても陰性になるまで1年6ヶ月もかかる可能性は低いので、新型コロナウイルスで会社を休んだ場合は、待機以外の期間は全て受給できるでしょう。

4.傷病手当金の申請方法

傷病手当金を受給するには、「傷病手当金支給申請書」を出さなくてはいけません。まずは、保険者からこの申請書を取り寄せましょう。書類は4枚あり、このうち2枚は被保険者記入用なので、皆さんはこちらを作成してください。また、1枚は療養担当者記入用なので、医師に記入をお願いしましょう。療養担当者記入用の書類は仕上がるまで2週間程度かかることもあるので、早めにお願いするのがおすすめです。さらにもう1枚は事業主記入用なので、会社に記入をお願いしましょう。書類が揃ったら会社を通して、もしくは自分で直接申請してください。

申請後は審査が行われ、支給されるときには支給決定通知書が送付されます。

新型コロナウイルスの特例

新型コロナウイルスに関する給与補償について、子どもが感染したので面倒を見るために会社を休まなくてはいけなくなったり、感染の疑いがあって仕事を休む必要が出たりしたときの対応も気になりますよね。そこで、新型コロナウイルスによる特例の補償について、以下にご紹介します。

1.子どもの面倒を見るために休まなければいけないとき

子どもが新型コロナウイルスに感染したり、学校が休校になったりしたときには、保護者は子どもの面倒を見るために会社を休む必要が出てくることがあるでしょう。

こういう場合は、保護者を対象に賃金助成が受けられるようになっています。ただし、国から直接支給してもらえるわけではなく、年次有給休暇とは別に有給休暇を取得させた事業者に対して、国が補助するという仕組みになっています。

金額は賃金の全額ですが、1日1人あたり8330円という上限があります。しかし、こうした制度があるにも関わらず、有休を取得させてくれない会社もあるようなので、休む前にこの制度に対応しているか会社に確認しましょう。

 

2.自分が濃厚接触者になったとき

新型コロナウイルスは感染者の過去の行動を聞くことで、濃厚接触者を割り出しています。もし自分が濃厚接触者に該当し、会社から休業するように命じられたときは病気になっていないので傷病金手当は出ませんが、休業手当が出ます。

休業手当は、平均賃金の100分の60以上と定められています。100分の60「以上」ということで、60%しか支払われない場合もあれば、満額支払われることもあるということです。実際にいくら支払われるのかは、会社に問い合わせてみてくださいね。

3.症状が出て会社から休むように指示されたとき

咳や息苦しさなど新型コロナウイルスの症状が出て休むときには、給与は保障されるのでしょうか?会社が休むように指示した場合は、先ほどの例と同じように休業手当が支給されます。

もし会社からも指示がなく自分の意思で休むときには、休業手当は支払われません。会社によっては病気休暇制度があるので、そちらを利用するか、有休を使用しても良いでしょう。

まとめ

新型コロナウイルスに感染したとき、被用者保険に入っていれば傷病手当金を受け取ることができます。支給される金額は、「療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日が経過した日から、直近12ヵ月の平均の標準報酬日額の3分の2」です。

受給期間は最長1年6ヶ月なので、新型コロナウイルスの感染で休む場合は最初の3日以外は、全て対象期間となるでしょう。傷病手当金を受け取るには書類の提出が必要なので、忘れずに申請してくださいね。

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