2022.09.30

転職・再就職について

会社倒産で未払い給与がある場合に受け取れる支援と対策

会社が突然倒産してしまった場合、未払いの給与、今後の生活や仕事など、不安なことで頭がいっぱいになってしまうでしょう。

突然倒産することなんて実際には考えられないと思う人も多いかもしれませんが、従業員には知らせずに倒産してしまうというケースも多いものです。

そこで、もし会社が倒産してしまった場合、どのように対処すべきか紹介していきます。

まだ会社が倒産していないものの倒産するかもしれないという不安のある方も、是非参考にしてください。

会社が倒産したら未払いの給料はどうなるのか?

倒産しても会社に資産が残っているような場合には、法律で定められている優先順位に沿って振り分けられて支払われることになります。

会社の破産手続き開始3カ月前までの未払いの給料に関しては、「財団債権」として最優先の支払いが行われます。

そして、財団債権に該当しない未払い給料や退職金は「優先的破産債権」になり、財団債権の次に優先される債権になります。

いずれにしても、従業員の給料は、他の債権者や取引先への支払いよりも優先してもらうことができるのです。

ただし、会社に財団債権までの支払い能力しかなければ、優先的破産債権に該当する給料は支払われないことになります。

会社に資産が残っていない場合

会社が破産手続きをするということは、資産がほとんど残っていない状態である可能性が高いです。

資産がないということは、従業員の未払い給料や退職金を支払うことは出来ません。

そのため、会社からは1円も支払いを受け取ることができず、経営陣とも連絡が取れなくなるというようなケースもあります。

未払賃金立替制度を利用しよう!

破産手続きにおいて従業員の給料は優先的に保護されますが、資産がなければ支払ってもらうことができません。

そういった場合には、「未払賃金立替制度」によって国から未払いの賃金を補償してもらうことができます。

財団債権などで一部支払いがあった場合でも、残りの未払い分を未払賃金立替制度によって取り返すことが可能になります。

未払賃金立替制度の利用条件

未払賃金立替制度は、倒産した会社の代わりに国が賃金や退職金を支払ってくれる制度です。

ただし、誰もが利用できるというわけではありません。

未払賃金立替制度を利用するには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 倒産した会社が1年以上の事業活動を行っていた
  • 倒産の半年前から倒産後1年半の間に退職をした人
  • 倒産後2年以内に未払賃金立替の請求を行うこと
  • 未払賃金の合計が2万円以上あること

これらの条件を満たしていれば、未払いの賃金や退職金を立替払いしてもらうことができます。

未払賃金立替で補償される金額

未払賃金立替制度によってどれくらいの賃金が支払われるのかが最も気になる部分でしょう。

立替払いの対象になる賃金は、退職日の6カ月前までの給料と未払の退職金の一部です。

未払賃金立替制度では全額補償されるわけではありませんが、原則的に8割の賃金は補償されます。

退職時点の年齢 未払い賃金の限度額

立替払いの上限額

30歳未満 110万円 88万円
30歳~44歳 220万円 176万円
45歳以上 370万円 296万円

 

このように、退職時の年齢によって上限額が設けられていますが、最大8割が支払われることが分かります。

未払賃金立替制度の利用方法

未払賃金立替制度を利用するには、申請手続きを行わなければなりません。

破産手続きなどを会社が行い法律上破産した場合と、法的な手続きを行わずに事実上の破産状態になっている場合とでは、申請方法が異なります。

法的に倒産している場合であれば、裁判所から証明書を交付してもらい、必要事項を記入して労働者健康安全機構に提出します。

一方で、法的な手続きを行わずに倒産状態になっている場合には、まず労働基準監督署に会社の現状確認をしてもらうための認定申請書を提出します。

労働基準監督署への申請が認められれば、認定通知書が届きます。

そして、労働基準監督署に必要事項を記入した確認申請書を提出し、確認通知書の交付を待ちます。

確認通知書が交付されたら、さらに必要事項を記入して労働者健康安全機構に提出することで未払賃金立替制度を利用できるようになります。

倒産ならば失業給付金もすぐに支給される

会社を退職した場合、加入していた雇用保険によって失業給付金を受給することができます。

退職理由には「会社都合」と「自己都合」の2種類がありますが、会社が倒産した場合には当然「会社都合」として取り扱われることになります。

そのため、会社が倒産した場合には失業給付金も利用すべきです。

倒産した場合の失業給付金について

キャリアップや家庭の事情など、従業員側の都合による退職である自己都合退職の場合は失業手当の受給までには時間がかかるものです。

一般的には、7日間の待機期間と3カ月の給付制限を終えてからの支給になります。

しかし、会社都合退職者であれば、7日間の待機期間後すぐに受給することができます。

しかも、失業給付金を受給できる期間は最大330日となり、自己都合退職の場合よりも長くなっています。

失業給付金の申請方法

失業給付金を受給するには、まず条件を満たしている必要があります。

離職日より前1年間に雇用保険の被保険者期間が6カ月以上あれば、受給することができます。

そして、申請は管轄のハローワークにて行います。

失業給付の申請は、通常であれば会社より受け取る雇用保険の資格喪失確認通知書と離職票を受け取った後に申請手続きをするものです。

ハローワークにて離職票と求職票の提出を行えば、受給資格証を発行してもらえます。

しかし、突然の倒産で経営陣と連絡が取れなくなってしまったような場合には、雇用保険被保険者証や離職票を会社に発行してもらうことができません。

そういった場合には、ハローワークに相談することで手続きを進めてもらうことができます。

まとめ

会社が突然の倒産してしまえば、給料未払いや今後の生活を考えて混乱してしまうものです。

しかし、従業員の給料や生活を守るための制度があるので、落ち着いて手続きを行いましょう。

退職コンシェルジュでも、退職後の生活で困った場合に利用できる生活保護申請や社会保険給付金のサポート、転職サポートを行っています。

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一人一人の状況に合ったサービスのご提案や、必要なアドバイスによって退職や退職後の生活をサポートしていきます。

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