2022.02.04
退職について
派遣切りに遭ったら?会社都合退職の対応方法を徹底解説
以前から、「派遣切り」という言葉はありましたが、長引くコロナ禍の影響で、年齢問わずに派遣切りが急増している傾向があります。今まで、会社のために頑張って働いてきたにも関わらず、ある日突然派遣切りされて職を失ってしまったという人は、ここ数年で意外と多くなっているようです。今回は、派遣切りをする理由や実際に派遣切りにあったしまった時の対処法について、解説します。
派遣切りとはどういうもの?
派遣切りとは、派遣労働者として企業で働いていた人が、突然会社都合で派遣契約の途中で契約を打ち切られたり、派遣契約期間の満了時に次期の契約の更新が行われなかったりして、その職場で続けて働くことが出来なくなることを指します。
そもそも派遣とは、派遣労働者と派遣元会社が雇用契約を結び、次に派遣元企業は派遣先企業と労働者派遣契約を結ぶところから始まります。そしてこの流れによって、労働者は派遣先企業で働くことになるわけですが、契約満了を待たないで派遣切りを行い、労働者派遣契約が途中で解除されることも実際のところ多いと言われています。ちなみに、派遣元企業と派遣労働者との間の雇用契約を途中で解除するのは、「解雇」になります。しかし、一般的には派遣契約の解除も雇用契約の解除も、「派遣切り」と表現されることが多いようです。
なぜ企業は派遣切りに至るのか?
企業が派遣切りに至る1つ目の理由としては、派遣3年ルールから逃れるためというものです。派遣労働者は、同じ事業所の同じ組織や部署で、3年を超えて派遣労働をすることが出来ないのです。3年を超えると派遣元企業や派遣先企業は、別の課に異動させたりする必要が出てきます。しかし、戦力になるとは限らないリスクを負うことになるので、派遣切りに至るというケースが多いのです。企業が派遣切りに至る2つ目の理由としては、能力不足や勤務態度の悪さです。これは、派遣労働者側にも原因がありますが、日頃の勤務態度や能力を理由に、派遣切りに至るケースもあります。
そして、企業が派遣切りに至る3つ目の理由としては、業績悪化による人件費の削減です。実際のところ、この3つ目の理由での派遣切りが一番多い理由と言えるのではないでしょうか。企業の業績悪化に伴う人員整理は、正社員よりも先に派遣労働者が対象になることが多いというのが現状です。企業にとって、雇用期間に限りのある派遣労働者を派遣切りによって、手っ取り早く人員整理をしようというケースも多いのです。
このように、主に3つの理由から、企業は派遣切りに至ると言えます。
派遣切りの前兆について
結論から言うと、派遣切りは前兆もなく突然起こると言っても過言ではありません。先ほども解説した通り、派遣切りは業績悪化などが理由になることが多く、前々から派遣労働者に対して告知をするようなのんびりとした状況ではない場合が多いでしょう。そのため、日々一生懸命企業のために働いている派遣労働者からは、派遣切りの前兆を感じることが出来ないケースが多いのです。しかし、派遣切りの中でも更新期間が決まっているものに関しては、前兆としてだいたいの時期を予測する事は出来るかもしれません。派遣には3年ルールというものが存在するので、それを回避するために、更新のタイミングで企業が派遣切りを行うか判断できるためです。
このように、企業の業績悪化による派遣切りの場合は、前兆や予測する事は難しいと言えますが、更新のタイミングなどがある程度事前に分かっているような場合は、派遣切りの前兆がある事もあります。
いざ切られた時の対処法とは?
派遣切りになった時は、まずは以下のような専門機関に相談するようにしましょう。
- 法テラス
弁護士や司法書士等の専門家に相談する前の窓口のような場所で、派遣切りに関して利用できる相談先を知りたい時に、無料で電話相談が出来ます。
- 総合労働相談コーナー
労働問題の相談に応じてくれる公的な機関です。各都道府県の労基署など380か所に設置されており、無料で相談する事が可能です。
- 派遣労働ネットワーク
派遣労働者の問題解決に取り組むNPO法人となります。このような専門機関もあるので、事前に派遣会社に「解雇理由証明書」の発行を求めておき、相談に向かうとスムーズです。
もし解雇や雇い止めが不当だった場合、専門機関に相談した上で「民事調停」や「労働審判」を行い、解雇の無効を主張することが出来ます。民事調停手続きは、裁判官と一般市民から選ばれた調停委員で構成されており、解決のための話し合いを行います。原則1回の審理で完了し、弁護士などに依頼しなくても1人で行うことが出来ます。労働審判手続きは、労働審判官1名と労働審判員2名で構成されており、原則として3回以内の話し合いで判断する手続きです。こちらは、弁護士に依頼できる場合に適した方法となります。
また、専門機関に相談した後、派遣会社からの解雇が有効だった場合は、解雇手当や失業手当の手続きを行い、次の就職先を探すことになります。解雇手当は、解雇予告日から解雇日までの賃金を保証するもので、失業手当はハローワークで手続きを行えば、退職して離職票を提出した日から7日間を経て、受給する事が出来ます。
派遣切りの場合、会社都合で解雇を言い渡されることが多いため、「雇用保険被保険者として、退職日以前の1年間に最低6か月以上働いた期間があること」という要件を満たしていれば、通常は1ヶ月程度で失業保険を受給することが可能です。
まとめ
コロナウイルスの影響で、企業の業績悪化などを理由に、突然派遣切りにあう人が増えてきています。派遣労働者にとって派遣切りは、ある日突然やってくることが多く、働く場所がなくなる恐怖は大きなものですよね。いざという時のために、対処法を知っておくと安心でしょう。
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