2022.08.12

退職について

会社が倒産しそうな場合の転職対策と対応策

一昔前までは、一度入社すれば定年までの雇用が保証されていましたが、現在の日本では大企業であっても、会社が倒産してしまう可能性があります。そのような場合、会社のその後の状況によっては転職をする必要が出てくることでしょう。ここでは、会社が倒産しそうなときの転職方法などについて、ご紹介します。

会社が倒産しそうなときは会社都合退職が有利?

それでは早速、会社が倒産しそうなときの退職について、解説していきましょう。会社を退職して転職する際に、退職理由に「自己都合」か「会社都合」かを記載しますよね。ほとんどの退職理由は「自己都合」になるかと思いますが、会社が倒産しそうなときの退職に関しては、どうなのでしょうか?結論から言うと、会社が倒産しそうな時の退職に関しては、「会社都合」での退職の方が有利でしょう。なぜなら、会社が倒産しそうでなければ、そのままその会社で働く意思があった場合、「自己都合」で退職してしまうと、次の転職先での印象が大きく変わってしまうからです。

また、倒産しそうな会社を退職して、次の転職先がなかなか見つからなかった場合に、失業保険を受給することになりますよね。その際に、「自己都合」で退職していると、3か月間の失業保険の給付制限があります。そのため、総合的に考えると、「自己都合」よりは「会社都合」での退職の方が有利になると言えるでしょう。

会社が倒産しそうなときの転職のタイミングとは

次に、会社が倒産しそうなときに転職するタイミングについて、お伝えしていきます。会社が倒産しそうなときは、なるべく早く転職活動をすることがおすすめです。そのため、倒産前に退職した方が良いでしょう。倒産前なら、収入を確保した状態で転職先を見つけることが出来ますし、有休を使って転職活動を行うことも可能です。

また、会社は倒産直前になると、人件費削減のために早期退職者を募ることがよくあります。このときに退職すると、退職金が上乗せされることがあるのです。給与や退職金を受け取ることができ、ボーナスカットのリスクも少なくなります。

さらに、倒産時は会社も混乱するため、なかなか転職活動が思うように進まなくなる可能性があります。倒産直前の会社は、売り上げを確保しようとするので、ノルマが厳しくなるのです。また同時期に、退職者が続出するので、残った社員で仕事を回すという状況になります。そのため、今までよりも仕事が忙しくなるケースがあり、思うように転職活動が出来なくなるのです。

このような理由から、スムーズに退職して収入が途切れずに転職したい場合は、同僚と情報を共有しながら協力して、倒産前に転職活動をすることをおすすめします。

転職活動をする際の注意点

会社が倒産しそうなときの転職活動の際に、一番注意しなければならないことは、会社が倒産しそうだという話を周囲に漏らしてしまう点です。倒産の事実は、どんな理由があっても会社からOKが出ない限り、外部へ漏らしてはいけないとされています。これは、会社が取引している関係会社が、倒産しそうだと分かれば途端に取引を停止してしまい、業績の回復に努めることが出来なくなるからです。

また、もし業績を回復させて倒産を免れた場合でも、一度倒産しそうになったということが分かれば、その後の取引は難しくなります。そのため、会社が倒産前に転職活動をする際は、いかなる場合でも外部に倒産しそうだということは漏らさないようにしましょう。

さらに、2つ目の注意点としては、やはり転職のタイミングでしょう。まずは、会社へ倒産の情報が本当なのかの事実確認を行い、その後の会社の方針を聞いたうえで、転職するかを判断する必要があります。先ほども解説しましたが、退職のタイミングによっては、退職理由が「自己都合」になり、転職の際に不利になる可能性があります。また、倒産と転職活動を上手に並行しながら行わないと、失業保険がもらえるとは言え、今までの給料の6割程度になってしまいます。

一番恐れるべきことは、倒産した会社からの給料が未払いになる可能性もゼロではなく、収入がかなり減ってしまうということも頭に入れておく必要があります。このような理由から、会社が倒産しそうなときの転職活動では、タイミングと外部に倒産しそうだということを漏らさないような注意が必要なのです。

倒産前後の転職のメリットとデメリット

それでは最後に、倒産の前と後での転職のメリットとデメリットを、解説します。まず、倒産前の転職のメリットとしては、収入を途切れさせることなく転職先を見つける事が可能で、有休も使うことが出来るという点です。また、退職金や給与の支払いも滞ることがないので安心です。しかし、デメリットとしては、退職理由が「自己都合」になる点です。そのため、倒産しそうな会社の管理職や経営側に在籍していた場合は、転職先での印象がやや悪くなるというデメリットがあるでしょう。

一方、倒産後に転職した場合のメリット・デメリットについても挙げて行きます。倒産後の転職での最大のメリットは、やはり退職理由が「会社都合」になるという点です。会社都合で退職しているため、責任感を評価されることもあります。さらに、失業保険の受給日が早くなったり、給付期間の延長や金額も大きくなったりするのです。ただ、デメリットとしては、職歴にブランクができることや、給与などが未払いになる可能性があることです。また、倒産時の混乱に巻き込まれることが多いのも、デメリットだと言えるかもしれません。

まとめ

今回は、勤めている会社が倒産しそうなときの転職方法やタイミングなどを、どのようにしたら良いのかについて、詳しく解説してきました。入社したときは、多くの方が長くその会社で勤めあげたいと思っているものです。しかし、現在の日本では、大企業であっても倒産の可能性を抱えており、社員は転職も視野に入れながら働くことが重要です。普段から、倒産の前と後での転職におけるメリット・デメリットをシュミレーションしながら、働くことが大切だと言えるでしょう。

 

 

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