2024.07.26
就労について
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就業規則違反でどうなる?具体的なリスクと対応策を紹介
国には憲法、学校には校則があるように、会社にも就業規則というものが存在し、規則に違反すれば相応の罰則を受けることになります。そのため、就業規則に違反してしまうと、減給や降職、解雇など生活や今後の人生に直結してしまうような戒告を受けることもあるので、注意しなければいけません。ここでは、会社の就業規則を違反したらどのようになるのか?について、解説します。
就業規則の違反とはどういうこと?
就業規則は、常時10人以上の労働者を雇用する会社が作成し、届出ることが義務付けられている規則の名称のことを言います。就業規則は会社が各々作成するため、それぞれ多少の違いはありますが、行政に提出してチェックを受けるので、労働者に不利益なものや不当な規則は設定できないようになっているのです。
就業規則は会社と労働者の約束事
就業規則を簡単に説明すると、「会社と労働者の約束事」のようなものだと言えるでしょう。会社側として、労働者に守ってもらいたいこと、給与や休暇といった労働者の労働条件が労働基準法に則って、記載されています。
懲戒に関する規定も就業規則に設けられている
就業規則には、設定した規則を破った場合の懲戒(罰則)に関する事項も記載されるようになっています。つまり、会社側は労働者が就業規則を違反した場合であっても、就業規則に明記された以上の罰則をすることは法律違反となってしまうということです。懲戒に関しては、「何をどうすると、どれくらいの罰則が与えられるのか」などを明確に記載する必要があります。
就業規則に違反すると起こり得ること
違反者の懲戒については就業規則を見れば分かるのですが、中には懲戒内容に関して曖昧な表現で書かれていたり、明記されていなかったりすることもあるかと思います。そこで、就業規則に違反した場合の流れについて、説明します。
懲戒規定に則って相当な懲戒処分を受ける
規則違反を犯した場合、懲戒規定に則って「相当」な懲戒処分を受けることになります。しかし、例えば上司の機嫌を損ねて罰則、なんだか気に食わないから罰則ということは出来ません。また、軽い違反なのにもかかわらず、いきなり解雇ということも禁止されています。
懲戒処分の種類
懲戒処分の種類には、次のようなものがあります。
- 戒告
注意や指導を受けることです。反省文を書かされる場合もあります。
- 減給
給料が減額されます。減額できる範囲は、労働基準法によって定められています。
- 出勤停止
一定期間の出勤を停止され、その間は基本的に給料が支払われません。
- 降職/降格
役職や職位を解かれる、または下げられます。
- 解雇
労働契約を終了させる処分。懲戒処分の中で、最も重い処分です。
よくある就業規則違反
よくある規則違反には、服装や髪型の違反、遅刻や無断欠勤などがあります。また、規則で副業をしてはならないと定められているのにもかかわらず、副業をしてしまった場合や、会社の物品を私物として使用してしまった場合の就業違反もよくみられるものです。就業規則を隅から隅まで見るという方はあまりいないかと思いますが、A社で就業規則違反にならない事項でも、B社では就業規則違反になることも考えられるため、就業前には一度は目を通しておくことをおすすめします。
会社に退職勧告されたら、自己都合退職すべき?
著しい規則違反を犯してしまった場合、懲戒処分になることが考えられます。その場合、通常であれば会社都合での退職手続きに進むことになるのですが、中には自己都合退職を勧められるケースもあります。その場合は、自己都合退職をすべきなのでしょうか?
自己都合退職は労働者にとって良いこと?
退職勧告をする会社では、「懲戒退職(クビ)だと再就職時に印象が悪いから」という理由で、自己都合退職を勧めてくることがあります。確かに、再就職先の会社にとって、懲戒退職者への印象はあまりいいものではないでしょう。しかし、会社都合退職は懲戒退職の他にも、人員削減や事業所の移転による退職などさまざまなパターンがあるため、必ずしも「会社都合退職=クビ」という印象には繋がりません。
また、自己都合退職よりも会社都合退職のほうが失業手当等の保障が手厚くなっているため、人によっては会社都合退職の方がメリットが大きくなります。
ちなみに、会社都合退職の理由が懲戒退職であることを、現在の会社が自分の同意無しに再就職先の会社に伝えることは個人情報保護法違反にあたるため、必ずしも再就職先に解雇が知れるとは限りません。(ただ、面接で退職理由を聞かれた場合には、正直に答える必要があります。虚偽の場合、再就職先の就業規則違反にあたることが考えられます)
不当な解雇は法律違反となる可能性も
自己都合退職、または会社都合退職にするのか、どちらの方が本人にとって都合がいいのかはケースバイケースなので、よく検討することが重要です。
しかし、悪質な会社は、不当な解雇を自己都合退職という選択肢を持たせることでうやむやにする、必要以上の失業手当を払いたくないといった気持ちを持っていることがあります。それにより、自己都合退職を勧めようとする会社もあることは、頭に入れておきましょう。
就業規則で勧告をされた場合の対処方法
万が一、就業規則違反で退職勧告をされた場合の対処方法や手順について、以下にご紹介します。
就業規則に則っているかどうか確認
まずは冷静になり、自分がどのような規則違反をしてしまったのか、違反に対する懲戒は妥当なのかどうか調べます。調べる際には、就業規則を確認しましょう。相当な処分であると認識できた場合には、会社都合退職なのか自己都合退職なのかを調べます。しかし、もし退職したくない場合は、会社と交渉する他ありません。運が良ければ、処分が軽くなる可能性もあります。
必要であれば労基局や弁護士に相談する
もし処分が不当なものである場合は、労基局や弁護士に相談しましょう。処分に正当性があるかどうかを、判断してくれます。また、会社との契約に関する交渉は本人または労基局、弁護士しかすることができないと法律で定められているため、公的な機関と連携して話を進めていくことをおすすめします。
まとめ
労働者は就業規則に違反すると、就業規則に則った懲戒処分を受けることになります。懲戒処分は規則に定められている以上のことは与えられないため、もし自分が処分を受けた場合は、罰に対して相当な処分を受けているかどうか、必ず確認するようにしてくださいね。そして、処分に不当性を感じる場合には、労基局や弁護士に相談しましょう。
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